エゴノキとヒトツバタゴの実

 エゴノキエゴノキ科の落葉小高木。日本全国の雑木林に多く見られ、今では公園や庭の樹木としても人気が高い。果皮には、10%ものエゴサポニンが含まれ、果実をかじると「エゴイ、エグ味」を感じることが和名の由来。万葉集にも「ちさ」の名で登場している。果皮のエゴサポニンは、界面活性作用がある。その果皮をすりつぶして、水に入れて振ると白濁して泡立ち、石鹸水になる。古くから親しまれてきた万葉植物の一つで、昔はこの果実をすりつぶして川に流す漁法が行われていた。
 ヒトツバタゴは「一つ葉のトネリコ」という意味。タゴとはトネリコの別名で、外にナンジャモンジャという名前がある。限られた地域に自生しているからか知る人が少なく、木の名前がわからず「何の木じゃ」と言っていたものが転じて「ナンジャモンジャ」になったという話がある。白い花をたくさんつけ、4つに深く裂けた花びらは細く、満開時には全体に雪が降り積もったように見える。花の後にできる実は楕円形の核果(水分を多く含み中に種が1つある)で、9月頃紫黒色に熟す。

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エゴノキ

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エゴノキ

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ヒトツバタゴ

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ヒトツバタゴ