エゴノキの花たち

 樹木一杯に咲き誇っているのがエゴノキの花。エゴノキは全国の雑木林に多く見られ、湾岸地域でもよく見かけます。名前の由来は果実を口に入れると喉や舌を刺激してえぐい(えごい)ことから。エゴノキはまず春に若葉が芽吹き、次に花が咲くので、新緑の瑞々しさと花の可憐さを同時に楽しむことができます。花は長い葉柄を持ち、枝の先にぶら下がるように咲きます(画像)。一つの枝の先に複数の花を咲かせ、さらに枝は細かく枝分かれしているので、開花期には花で枝がいっぱいになります。エゴノキの花色は白花。

 エゴノキの果皮には、10%ものエゴサポニンが含まれ、『万葉集』にも「ちさ」の名で登場しています。エゴサポニンは界面活性作用があり、その果皮をすりつぶして、水に入れて振ると、白濁して泡立ち、石鹸水になります。また、昔はこの果実をすりつぶして川に流し、魚を獲っていました。