エゴノキの花

 エゴノキエゴノキ科の落葉小高木。全国の雑木林に多く見られるだけでなく、公園でもよく見かける。名前の由来は果実を口に入れると喉や舌を刺激してえぐい(えごい)ことから。エゴノキはまず春に若葉が芽吹き、次に花が咲くので、新緑の瑞々しさと花の可憐さを同時に楽しめる。花は長い葉柄を持ち、枝の先にぶら下がるように咲く。一つの枝の先に複数の花を咲かせ、さらに枝は細かく枝分かれしているので、開花期には花で枝がいっぱいになる(画像)。エゴノキの花色は白花が主流。湾岸地域では既に花は散ってしまった(画像は5月初旬のもの)。

 エゴノキの果皮には、10%ものエゴサポニンが含まれ、『万葉集』にも「ちさ」の名で登場している。果皮のエゴサポニンは、界面活性作用があり、その果皮をすりつぶして、水に入れて振ると白濁して泡立ち、石鹸水になる。エゴノキは古くから親しまれてきた万葉植物の一つで、昔はこの果実をすりつぶして川に流す漁法が行われていた。

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