ナンキンハゼの緑色の蒴果

 ナンキンハゼは中国原産の落葉広葉樹で、湾岸地域でも馴染みの樹。10月終りには画像の緑色の実の果皮が弾け、白い種子が残ります。ナンキンハゼの有毒の葉は寒くなくても見事に紅葉し、種子は野鳥の食糧になります。

 ナンキンハゼの花には雄花と雌花があり,同じ株に両方の花が咲きます。さらに、雄花と雌花が咲く順序によって雌花先熟株と雄花先熟株の二つのタイプがあります。

*雌雄同株は親と同じ遺伝特性を受け継ぎやすいので、安定した環境では子孫を殖やしやすいメリットがあります。でも、子の特性が親そっくりなため、環境が不安定になると親子共倒れになるデメリットがあります。これを避けるには、イチョウのように雌雄異株であれば、他家受精になるので、多様な子孫を常に作ることができ、不安定な環境では有効と思われます。

 ナンキンハゼの蒴果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実のこと)が開いても、種子は果皮から離脱せず、紅葉期から落葉後まで長く樹上の枝先に残り、白い種子が目立つことになります。今は緑色の蒴果が緑色の葉の中にたくさん見ることができます。