クサギの花の変化

 クサギ(臭木)はシソ科の落葉小高木。私を魅了し続けているのが瑠璃色になる実です(最後の画像)。アカメガシワと並んで、クサギは新しく開けた土地に初めに芽吹いて大きくなる先駆種、つまり、パイオニア植物です。クサギの葉に異臭があることから、「臭木」という名前がつきました。甘い香りがする花は夏に咲き始め、花びらは萼から長く突き出して、その先で開きます(画像)。

 クサギは山菜の一つで、若葉が食用になります。乾燥して保存もでき、生だと野菜と同じように新芽や若葉を青菜として利用し、佃煮にもできます。クサギの瑠璃色の実は古くから「常山の実」と言われ、実をあつめて青色の染色材料にしてきました。確かに、その実は人を惹きつける瑠璃色です。秋の実の瑠璃色を見るのが今から楽しみです。

 クサギの花の構造を見てみましょう(画像)。雄しべは4本、雌しべは1本ですが、花冠(5枚の花弁の総称)に比べ、とても長いのが特徴です。美しい花なのに何となく均整がとれないと感じるのは、この不釣り合いな雄しべや雌しべのためです。クサギは自家受粉を防ぐために、まず雄しべが成熟し、遅れて雌しべが成熟する、雄性先熟です。開花直後、雄しべは花粉の放出を始めますが、雌しべはうなだれています。しばらくしますと、雌しべも直立しますが、その先端(柱頭)は開いていません。花粉の放出を終えた雄しべはうなだれ、代わりに雌しべの柱頭が二裂し、受粉を始めます。

 雄しべが働く雄性期には葯が紫色で、花粉を出します。花粉を出し終えると、雄しべはしだいに下向きになり、茶色に変わり、雌しべが受粉できる状態に移ります。紫色から茶色への変化は花粉を出した後の老化や乾燥の進行を示しています。