夏のムクゲの花

 フヨウ属はアオイ科の植物群で、北半球各地に分布し、1年草、2年草、多年草の草本から、低木、高木まで実に様々な植物が含まれている。「木」と「草」は違うというのが私たちの常識だが、フヨウ属には草も木も含まれている。木(木本、woody plant)は地上に出ている茎が二次成長で太り続け、草(草本、herb)は地上部分が短期間(一年程)で枯れてしまう、あるいは長持ちしても太り続けることがない植物。多くの植物は木本、草本のいずれかだが、どちらにも入らないものもある。

 フヨウ属のムクゲは見る場所や時間によって印象が異なる。韓国の国花でありながら、とても日本的で、茶席に合う。ところが、同じフヨウ属のハイビスカスは異国の夏の象徴である。それぞれに日本的、東洋的、そして世界的と形容して何らおかしくなく、とても懐が深い。ムクゲもハイビスカスも基本的には「草」ではなく、低木。かつて、ヨーロッパで植物園がつくられ、植物のグローバリズムがスタートした。人が栽培することによって植物は変えられ、世界中に広まった。

 さて、和名の「むくげ」は「木槿、槿」。別名は「ハチス」。白の一重花に中心が赤い底紅種は「宗丹木槿(そうたんむくげ)」、すべて白い種は「遠州木槿(エンシュウムクゲ)」。早朝の3時頃に開花した花は夕方にはしぼんでしまう。これから暫くは様々なムクゲを、そしてフヨウ属の花たちを楽しむことができそうである。