オガタマノキ(招霊木、Magnolia compressa)の「オガタマ」は「招霊(オキタマ)」が転訛したもので、かつては神の「依代(よりしろ、神霊が寄り憑く樹木、岩などで、最古の依代は土偶)」として寺社を中心に植栽されていました。オガタマノキ(招霊木、小賀玉木、)はモクレン科に属する日本原産の常緑高木で、花はミヤマガンショウやモクレンに似ているとのことですが、子供の頃神社で見た記憶はなく、私が住む湾岸地域に寺社はなく、そのため、私はオガタマノキを知りません。
オガタマノキによく似た木が同じモクレン科で中国原産のカラタネオガタマです。カラタネオガタマ(唐種招霊、Michelia figo)の別名はトウオガタマ(唐招霊)。カラタネオガタマは江戸時代に渡来しました(渡来ものでも依代にできるのか知りたくなります)。
オガタマノキの花は強い香りがないのに対し、カラタネオガタマの花にはバナナに似た甘い強い芳香があり、そのため、英名は「Banana Tree」(バナナの木)です。キンモクセイの花のような容赦のない香りではありませんが、その香りは漂いながら満ちてきます。
ミヤマガンショウ(深山含笑、Michelia maudiae)も中国原産で、春に半八重のタイサンボクに似た、香りのある、大きな白い花を咲かせます(画像)。そのミヤマガンショウはカラタネオガタマの仲間で、中国名は「含笑」、「含笑花」。花びらが全開しない含み笑いのような花の形からきているようです。ミヤマガンショウはモクレン科オガタマノキ属の常緑高木。2~3月頃にハクモクレンに似た一重から二重の白色で芳香をもつ花を開きます(画像)。ハクモクレンより開花が早く、その別名が「大輪オガタマ」、「ミケリア」など。また、マングリエティア・インシグニス(Manglietia insignis)はモクレン科モクレンモドキ属のマグノリアの仲間で、中国の西部からヒマラヤ、ミャンマーにかけて分布します。和名は「木蓮擬き(モクレンモドキ)」。ミヤマガンショウ、モクレンモドキ、カラタネオガタマが常緑のモクレン科の花木であるのに対し、モクレンやハクモクレンは落葉の花木です。





(ミヤマガンショウ)

(モクレンモドキ)