ハクモクレン:冬芽から開花へ

 湾岸地域にはハクモクレン(白木蓮、Magnolia denudata)が少なくありません。ハクモクレンの冬芽は柔らかい毛に覆われています。頂芽は特に大きく、これが花芽です。ハクモクレンの冬芽は互い違いにらせん状に互生していて、暖かい毛に覆われた花芽はゆっくりと大きくなり、春に見事な白い花を開きます。3月に入り、その花芽から花が開き出しています。

 ハクモクレン(白木蓮)はモクレンの仲間で、白色の花をつけます。私は子供の時からハクモクレンをモクレンと思い込んでいたのですが、「木蓮」という名前はハス(蓮)に似た花が咲く木という意味で、私の記憶の中のモクレンが何となく仏教と結びついていたことが頷けるのです。白い清楚な花は新葉が出る前に咲き始め、コブシ(辛夷)と違って花弁が開き切らず、卵が立ち並ぶように枝先につきます。花びらは太陽の光を受けて南側がふくらむため、花先は北側を指すことになり、そのことから、「磁石の木」と呼ばれることもあります。

 マグノリアと総称されるモクレンは地球上で最古の花木で、1億年以上も前から既に今のような形態だったようです。ツバキ(椿)、ツツジ(躑躅)、そしてモクレン(木蓮)は三大花木とされています。

*落葉樹の花芽は越冬し、苞葉(あるいは苞鱗)に包まれています。その中には既にできあがった花が収まっています。しかし、その花は小さく未成熟で、花の色素などほぼありません。花芽ができるのは前年の夏から秋にかけてです。未熟な花芽が膨らんで開花するまでには細胞の成長、色素や香気成分の合成、そして花弁が展開するための急速な吸水など、多くのエネルギーが必要です。