シソ科のフィソステギア(Physostegia virginiana)の別名がカクトラノオ、ハナトラノオで、私には妙に懐かしい花である。原産地は北アメリカで、草丈は60cm~1m、6月-9月が開花期で、毎年花を咲かせる多年草。今年も元気な姿を見せている。フィソステギアは約15種の仲間がいるが、園芸で栽培されているのは上記の種で、日本に入ってきたのは明治末~大正時代と言われている。子供の頃は通学路のあちこちでこの花を見ることができた。
葉はギザギザのある細長い楕円形で、茎を挟んで左右にでて、一段ごとに90°回転しながら生え、とても規則的に見える。茎は断面が四角く、和名の「カクトラノオ(角虎の尾)」の由来になっている。「虎の尾」は花穂を虎のしっぽに見立てたもの。
フィソステギアは夏から秋に白や淡~濃ピンク、青みを帯びた紫色の花を密に咲かせる。花は筒型で横向きに咲き、つぼみは下から上に咲き進んでいく。強健な植物で、手間もかからず、公園の花壇などに利用されてきた。そのためか、子供の頃の私の花の記憶の中にもしっかり入っている。
フィソステギアは園芸植物だが、一度植えると放置していても地下茎でよく増え、半野生化することも多く、それが雑草のようだったという私の記憶の理由だと思われる。その名前に反して、花の色も形も慎ましく、妙に自己主張しない花姿が私を含めた人々に嫌われない理由なのかも知れない。


