ハムシ二種

 アオツヅラフジが伸びて、花をつけ出している。その葉の上に見つけたのがハムシで、目を凝らし、ようやくそれを確認することができた。最初はその小さな個体が何かさえわからず、特定するのに随分と時間がかかってしまった。どんな情報が不足していて、どのように補えば正確な特定ができるかをまだAIは教えてくれない。発見し、特定し、知識にする作業は厄介なのだが、好奇心を満たすことは確かで、それをAIに奪われるのは嫌だというのが老人の自然な反応でもある。

 ハムシ科のハムシ(葉虫、金花虫、Leaf beetle)は今の日本では約780種が知られている。6mm前後で、基本的に草食性。どれもコガネムシを小さくしたような虫である。多くは生きた植物を食べる。ウリハムシやイチゴハムシなどはしばしば大量発生し、農作物に被害をもたらす。

 ハムシの中のイモサルハムシは黒色で、黒銅色、藍色、金緑色などの光沢があるハムシ(画像)。丸みがある体型で、脚が長い。成虫は、サツマイモ、ヒルガオなどの葉を食べる。幼虫は、地中で植物の根を食べる。平地から低山地にかけて生息している。成虫・幼虫ともにヒルガオ、サツマイモなどの葉を食べる。体色には変異があり、青緑色の個体もある。

 ヨモギハムシは黒色で、やはり青藍色、紫藍色や黄銅色の光沢をもつハムシ(画像)。草原に多く、人家周辺でも見られる。ヨモギ、ヤマシロギクなどを食べ、これらの植物の茎や葉上、および周辺の地表で見られる。

 下を向いて観察していて、ふと顔を挙げると、頭上にタイサンボクの花が見える。その花に飛来していたのがセイヨウミツバチで、狂喜乱舞しているような様にやはり見惚れてしまう。

*アオツヅラフジは落葉性の蔓性の木。アオツヅラフジの実は核果で、秋に球状の実ができ、ブドウのように緑色から紫色に熟すが、有毒。熟した実はヤマブドウの実に似ている。画像のチョウはヤマトシジミ。日本には全部で71種のシジミチョウ科のチョウがいるが、その中の代表格。生き物の世界では、基本的にオスが派手でメスが地味だが、ヤマトシジミもその一例。

イモサルハムシ

ヨモギハムシ

セイヨウミツバチ

ヤマトシジミ