ウメエダシャクは美しいのか?

 ウメエダシャクはチョウによく似たシャクガ科のガ。翅は白色と黒色のまだら模様で、腹部は淡黄橙色で黒色の斑紋が並ぶ(画像)。日中に活動し、羽ばたきながら緩やかに飛び続ける。幼虫はウメやサクラの木の葉を食べる。そのウメエダシャクが咲き始めたアジサイの花にとまっている。

 ウメエダシャクの幼虫はいわゆるシャクトリムシ(尺取虫)で、幼虫はウメなどバラ科の葉を食草としている。それほど優美でない上に、姿が毒々しいので気持ち悪いと思う人が多く、「醜いチョウ」と評する人までいる。

 ウメエダシャクについて、「みにくいアヒルの子」を真似て、「醜いチョウ、美しいガ」と言われて、素直にその通りだと納得できるだろうか。「醜いチョウ」には「チョウは総じて美しいが、中には醜いものもいる」という意味が、「美しいガ」には「ガは総じて醜いが、中には美しいものもいる」という意味があるようである。だが、「醜い、美しい」の評価は決して客観的なものではない。とはいえ、まるで決まっていない訳でもない。

 画像のウメエダシャクを見て、あなたはそれを醜いと思うだろうか、それとも美しいと思うだろうか。美醜に関する判断を再確認する機会になるのではないか。