駅伝の強豪という青学

 今年の箱根駅伝は青学の圧勝で終わった。選手のユニフォームについた妙高市のロゴも何度かテレビ画面に登場し、ニュースでも報道され、妙高市知名度向上に貢献したこと間違いなしであり、いつの間にか箱根駅伝は強力な宣伝媒体になっていた。

 ところで、青学こと青山学院大学についての私の印象はどうしても駅伝とは結びつかないのである。中央や早稲田といった駅伝古豪の大学とは違って、急に強くなった大学の一つで、元来青学はスポーツで人々を惹きつける大学ではなかった。これは駒澤大学についても同様である。

 今から40年以上前のことだが、私の教師としてのスタートは非常勤講師で、その中の一つが青学だった。私は厚木キャンパスができて間もない頃に非常勤講師として青学の学生たちに教え出した。当時は都心の大学が郊外にキャンパスを移すことが流行していて、青学の場合は厚木の山奥だった。その後、青山キャンパスでも教えたので、青学との付き合いは随分長かった。青学は米国メソジスト監督教会から派遣された宣教師たちが設立した学校を母体とし、二万人を越す学生がいるプロテスタントの大学である。だから、キャンパスには礼拝堂があり、そこは上智大学に似ている。だが、上智大学イエズス会カトリックの大学である。

 非常勤講師として幾つかの大学を掛け持ちで教えたが、授業で手のかからない大学となれば東大で、青学も随分昔とはいえ教えやすい大学の一つだった。曹洞宗駒沢大学プロテスタントの青学が共に駅伝の強豪大学と呼ばれているのだが、私の中では今でもそれがしっくりせず、昔の駒大、青学が残像のごとく残ったままなのである。