2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

アツバキミガヨランの花

アツバキミガヨランの別名はユッカラン、アメリカキミガヨランで、リュウゼツラン科の植物。北アメリカ原産で、長さ50~70cmで剣のような形をした葉を茂らせます。葉は厚みがあり、まっすぐ伸び、その先端は針状に尖っています。5~6月、あるいは10月過ぎに…

「光る君へ」の君とは?

「君」と「僕」はそれぞれ二人称と一人称の代名詞ですが、子供の頃の私には「おまん」が「君」で、「僕」は「おれ」でした。方言に「君、僕」以外の呼称が多いのは、「君、僕」が比較的新しく、明治以降に使われるようになったことを意味しています。明治の…

アネモネの花姿態

1月に入り、すっかり花が少なくなりました。そんな中で咲いている花の一つがアネモネです。アネモネの花を見比べていると、花姿と呼ぶより、花姿態と呼びたくなります。リンネは植物の分類の基礎が花の雄蕊と雌蕊にあると考えましたが、花は植物が生きるた…

ナーガールジュナと違う有

ナーガールジュナ(150頃-250頃、中国名「龍樹」)は大乗仏教の祖で、彼の思想の中心は『中論(正式名は『根本中頌(こんぽんちゅうじゅ)』)』で展開される空の理論。そこから、大乗仏教の「空即是色、諸行無常」という世界観がつくられました。彼は「一切…

スイセンの花の変化

ヒガンバナ科のスイセンの開花時期は12月中旬から4月末まで。湾岸地域でもあちこちでスイセンの花を見ることができます。 白い花の中心部が黄色のものが「日本水仙」で、その中に花も中心部も白いのがあり、それが「ペーパーホワイト」。キブサスイセン(黄…

バラ(薔薇)の花の豆知識

バラ(薔薇)はバラ科バラ属の花の総称。棘のある低木は「イバラ(茨・荊・棘)」と呼ばれ、「バラ」という名前はこの名が転訛し、「イ」が抜けたもの。漢字「薔薇」は「そうび」、「しょうび」とも読みます。英語の「rose」はラテン語の「rosa」に由来。 バ…

エンドウの花

マメ科のエンドウ(Pisum sativum(Lathyrus oleraceus))は世界中で栽培され、私たちの重要な食用になっています。英語ではグリーンピース。エンドウ(豌豆)はエンドウマメとも呼ばれ、別名はノラマメ、サヤエンドウ、ヨサクマメ(年に四回も採れることか…

紅白混淆のバラ

ランカスター朝の国王ヘンリー6世に対し、ヨーク公リチャードが王位を主張して1445年に決起したのがバラ戦争です。1485年のヘンリー7世の即位によるテューダー朝成立までの30年間、この内乱が続きました。ヘンリー7世はランカスター家の血をひいていました…

記憶と忘却の地位

憶えていることと忘れることは憶えている状態と忘れる出来事という違いがあっても、日常生活では「憶える-忘れる」と並んで、「憶えている-忘れる」が対になって考えられていて、「いつ憶えるか」より、「どれだけ憶えているか」の方が日常生活では重要な…

冬の赤バラと白バラ

源平合戦は「赤白合戦」とも呼ばれますが、私たちが知っているのは大晦日の「紅白歌合戦」。中国の「紅」は単に赤い色を示すだけでなく、好ましい赤色とされているようです。ですから、中国の赤い国旗は五星紅旗と呼ばれます。 さて、薔薇戦争(War of the R…

ソシンロウバイの花

小寒や 素心蝋梅 咲き誇る 冬空に 素心蝋梅 花開き 黄色い肌の 色透き通る ソシンロウバイ(素心蝋梅)は中国中部原産で、日本に15世紀初頭に渡来したロウバイ(蝋梅)の変種です。「蝋梅」はらせん状に付く花被片が蝋細工に似ていることから。また、旧暦の1…

「パンジーよく咲くスミレラズベリー」の花たち

宣伝する気は毛頭ないのですが、タイトルの名前は商品名。パンジーとビオラの長所を併せ持つ「よく咲くスミレ 」シリーズの一つが「よく咲くスミレ ラズベリー」。その他に、パイナップル、レモネード、マロン、スイートポテト等々があり、例えば、「パンジ…

アフリカキンセンカの花

キク科アフリカキンセンカ属のアフリカキンセンカ(Dimorphotheca sinuata)は鮮やかな黄色やオレンジの花の一年草で、もう咲き始めています。アフリカキンセンカ属とオステオスペルマム属の植物は姿がよく似ていて、品種改良を目的とした交配も積極的に行わ…

自力と他力、そして自由意志

「ふるさとを穿る」では小児往生や幼児洗礼について述べましたが、その特徴は誰かが述べた事柄についての異なる解釈が論争や議論の拠り所になっている点でした。誰かの言明の解釈の多義性についての争いでした。言明の解釈とは具体的なモデルのことであり、…

ミヤマシキミの謎の赤い実

ミカン科のシキミに枝葉のつき方や見た目がよく似ていて、山地に自生することから、ミヤマ(深山)に育つシキミという意味でミヤマシキミと呼ばれるようになりました。雌雄異株のミヤマシキミの実は球形の核果で、秋に赤く熟します(画像)。ミヤマシキミの…

ふるさとを穿る

願生寺編『新・願生寺正鑑』(2023、法藏館)が12月に刊行され、第一部から第四部までの534ページに及ぶ願生寺の歴史とその資料からなっています。以前小児往生の異安心に関して願生寺と浄興寺の間の論争について述べたことがありました。この歴史書の刊行に…

カルーナ・ガーデンガールズの花

カルーナはツツジ科の常緑性の低木。エリカの近縁で、ヒースとも呼ばれます。耐寒性がとても強いのですが、暑さには弱いです。それにしてもとても小さな木です。原産地はモロッコ、ヨーロッパ北西部、シベリアなどで、夏咲きと冬咲きの品種があります。花の…

ヘクソカズラの黄金色の実

猛暑にもまるで平気なのがヘクソカズラで、湾岸地域の植込みやフェンスのあちこちで花を咲かせます。ヘクソカズラはアカネ科の雑草で、葉や実を揉んだり、傷つけたりすると悪臭がすると言われ、そのため、「屁糞葛」の名前があります。中国では鶏屎藤(けい…

マンデビラの冬の花

キョウチクトウ科マンデビラ属のマンデビラ・サンデリ(Mandevilla sanderi)はつる性の常緑低木で、マンデビラの名前で流通する多数の園芸種の元となっています。マンデラ属の中でよく栽培され、多数の園芸品種があります。 つる性のマンデビラは春から秋に…

忘れる、憶えるということ:本性か、病気か?

(1)忘れたくても、忘れられない (2)憶えていたくても、憶えていられない (1)は忘れられない、つまり憶えていることを述べ、(2)は憶えていられない、つまり忘れることを述べていて、(1)と(2)は正反対の内容になっています。つまり、(1)は記憶し…

イベリスの花色

雪国育ちの私には冬は雪が降り、白色が基調の風景は当たり前だった。冬の色は白で、それは雪の色だった。その雪の色も千差万別で、気象条件次第で様々な雪色を見ることができた。 マーガレットとイベリスは共に白の単色ではなく、黄色や緑色を一部に含み、花…

冬のトウゴマ(唐胡麻)

トウダイグサ科のトウゴマの別名はヒマ(蓖麻)、銅葉のヒマはニュージーランドパープルと呼ばれています。 トウゴマは熱帯から温帯で、油脂植物として広く栽培されています。熱帯では低木であり、高さが5mを超え、温帯では1年草で高さ4m以下。種子からひま…

オオキバナカタバミの花

オオキバナカタバミ(大黄花片喰、大黄花酢漿草)はカタバミ科の多年草で、原産は南アフリカ。現在では世界各地に帰化植物として定着しています。日本では1890年代に観賞用に輸入されましたが、野外に逸出し、現在では関東から九州まで広く分布しています。…

オタフクナンテン(お多福南天)の赤い葉

ナンテンの原産地は日本の暖地や中国ですが、そのナンテン属のオタフクナンテンは園芸種です。名前は葉が丸くふっくらしていることからで、別名のオカメナンテン(お亀南天)も同じ意味です。オタフクナンテンは背が高くならない「矮性」の品種で、取り扱い…

冬のブーゲンビリアの花

ブーゲンビリアはオシロイバナ科ブーゲンビリア属に属する熱帯性の低木で、和名はイカダカズラ(筏葛)、ココノエカズラ(九重葛)。蔓性あるいは半蔓性ですが、私には木にしか見えません。 原産地は中南米の熱帯雨林。花の色は赤から白まであり、画像は赤紫…

梅は白梅

梅は奈良時代に渡来しましたから、当然ながらそれより古い『古事記』、『日本書紀』、『風土記』に「梅」は登場していません。奈良時代に伝来したのは白梅だけで、単に「梅」と呼んでいました。その後、紅梅が入ってきて、両者を区別して、「紅梅(こうばい…

プリムラ・ジュリアンの小さな花たち

冬の花壇に鮮やかに咲くプリムラ・ジュリアンはプリムラ・ポリアンサと様々なプリムラの原種を交配させてできた園芸品種。とても小さな花姿をもつプリムラ・ジュリアンはサクラソウ科サクラソウ属の多年草です。1972年に誕生し、今ではプリムラの代表的な園…

台詞の長短

「せりふ」は江戸時代のはじめ頃から使われている単語で、「世流布」(せるふ)が変化したもの、あるいは「競り言ふ」(せりいう)が詰まったものと考えられている。また、漢字の「台詞」は「舞台詞(ぶたいことば)」の省略形、中国語の「科白」は「科」が劇…

スイセンの花たち

「水仙」の音読みが「スイセン」で、中国古典『天隐子神解章』の仙人についての記述で、「在天曰天仙 在地曰地仙 在水曰水仙」(天にいる仙人を天仙、地にいる仙人を地仙、水にいる仙人を水仙)に由来します。綺麗な花の姿と芳香が「仙人」のようなところか…

ハボタンの葉

アブラナ科の多年草ハボタンはキャベツやブロッコリーの仲間です。寒くなるにつれて、葉が色づき、今あちこちで見ることができます。名前の由来は葉を牡丹に見立てたことから。ハボタンはヨーロッパ原産で、江戸時代に食用として渡来しましたが、その後は観…