雪国育ちの私には冬は雪が降り、白色が基調の風景は当たり前だった。冬の色は白で、それは雪の色だった。その雪の色も千差万別で、気象条件次第で様々な雪色を見ることができた。
マーガレットとイベリスは共に白の単色ではなく、黄色や緑色を一部に含み、花の形状も違っている。幾何学的なマーガレットに対して、ボリュームで勝負するのがイベリス。そこで、白色だけのバラ(ファビュラス、2000年作出)を見比べてみよう。別の色のアクセントがないファビュラスは一重のマーガレットと違って八重であり、その八重の多さでボリュームを出し、形態美をもった白が私たちを惹きつけている。雪の白さの多様さに似て、花の白さも多士済々である。
冬の花壇の定番のイベリスは小さなかわいい花が株を覆うように咲き、花壇を彩る。その名前はスペインの昔の国名イベリアに由来し、イベリアに多く自生していることからつけられた。4枚の花弁のうち、外側の2枚が大きくなるのが特徴で、小花が多数集まって大きな花房になる。
イベリス属には40種ほどがあるが、宿根イベリスと呼ばれているのがイベリス・センペルヴィレンスで、トキワナズナなどの名前で呼ばれることもある(画像)。イベリスの小さな花が集まった集団は格別に美しい。