バーベナ (美女桜)の花

 何とも素朴で、飾り気のない白い花は、暫し夏の暑さを忘れさせてくれます。熱中症寸前の老人は子供のように、雪が白くないだけでなく、白い色がなくなったなら、この世界はどんな風になるか、などと考えてしまいます。「白のない世界」は「色のない世界」、つまり「白黒の世界」なのかと言えば、単純にそうだという人はいない筈です。

 バーベナはクマツヅラ(バーベナ)属の園芸品種の総称です。「しばざくら(芝桜)」のような花が、春から秋まで咲き続けます。花色も豊富で、赤色、ピンク色、紫色、青色、黄色それに白色と多彩です。私は画像のような白色のバーベナが好きです。別名で「びじょざくら(美女桜)」とも呼ばれます。匍匐性をもつ系統が多く、グランドカバーに使われ、主役にはなりませんが、その白色は私を飽きさせません。バーベナの白い花は私を惹きつけるというより、私を解き放つ脇役なのです。