バーベナはクマツヅラ科クマツヅラ属(バーベナ属)の総称。約250種の一年草および多年草を含む。バーベナはビジョザクラ(美女桜)などの名でも呼ばれる。
さて、湾岸地域の空き地や道端でお目にかかる馴染みの雑草がアレチハナガサとヤナギハナガサ。それらの花があちこちで咲いている。アレチハナガサの茎は中実だが、中空なのがヤナギハナガサ。どちらも観賞用として持ち込まれた帰化植物で、共に南米原産。花が咲くと、ヤナギハナガサの方が花をたくさんつけ、アレチハナガサの花はうす紫色で花数が少なく、目立たない。
ヤナギハナガサはサンジャク(三尺)バーベナとも呼ばれる。アレチハナガサは分枝せずにひょろひょろ伸びる、こぼれ種で雑草化する、花が小さい、といった問題があるのに対し、それらが改良され、さらに、園芸種のバーベナ・メテオールシャワーになると、分枝性に優れ、たくさんの枝に花がつく、種がつかず、庭で勝手に繁殖しない、花数が多く、大きな花房をもつ、といった特徴をもつことになる(画像)。
変遷の経緯は、まずバーベナの栽培種が帰化し、アレチハナガサ、ヤナギハナガサとして野生化し、それらが改良されて、バーベナ・メテオールシャワーなどの園芸種が生まれたということらしい。人が介在した何とも厄介な進化である。
*レモンバーベナはハーブとして扱われ、そのハーブティーはレモンに似た甘い香りが特徴。