アネモネの花姿態

 1月に入り、すっかり花が少なくなりました。そんな中で咲いている花の一つがアネモネです。アネモネの花を見比べていると、花姿と呼ぶより、花姿態と呼びたくなります。リンネは植物の分類の基礎が花の雄蕊と雌蕊にあると考えましたが、花は植物が生きるために不可欠のもので、それゆえ、とてもエロティックです。アネモネの花姿態はリンネの直観の具体例に思えてならないのです。

 アネモネ南ヨーロッパ地中海沿岸原産で、明治初期に渡来。和名はボタンイチゲ(牡丹一華)、ハナイチゲ(花一華)、ベニバナオキナグサ(紅花翁草)。古くから人との関わりが深く、神話や伝説にも多く登場しているのがアネモネです。語源はギリシャ語で「風」。ギリシャ神話では、アネモネは美の女神アフロディーテが愛していた美少年アドニスが血を流した土から咲きました。また、新約聖書の「野の百合」はアネモネを指すという説もあります。

 アネモネには様々な園芸品種があり、その花姿態を競い合っています。