1月に入り、すっかり花が少なくなりました。そんな中で咲いているのがアネモネです。古くから神話や伝説に登場してきたアネモネは、ヨーロッパ南部から地中海東部沿岸地域が原産で、比較的雨の多い冬に生育し、初夏に地上部が枯れると球根(塊根)になって、暑く乾燥する夏を越します。
美の女神アフロディーテはキューピッドの射た愛の矢に誤って傷つき、アドニスと恋に落ちます。ところが、そのアドニスは猟に出た日にイノシシの角に突かれて死んでしまいます。アネモネはアドニスの流した血から咲いた花とも、彼の遺体を見てアフロディーテが流した涙から咲いた花とも伝えられています。また、新約聖書の「野の百合」はアネモネを指すという説もあります。
アネモネの和名は「牡丹一華(ぼたんいちげ)」、「紅花翁草(べにばなおきなぐさ)」です。