バラ(薔薇)の花の豆知識

 バラ(薔薇)はバラ科バラ属の花の総称。棘のある低木は「イバラ(茨・荊・棘)」と呼ばれ、「バラ」という名前はこの名が転訛し、「イ」が抜けたもの。漢字「薔薇」は「そうび」、「しょうび」とも読みます。英語の「rose」はラテン語の「rosa」に由来。

 バラの歴史は古く、5,000万年以上も前に登場しています。紀元前5000年頃の古代バビロニアで生まれた『ギルガメシュ叙事詩』に既にバラの記述があります。紀元前1500年頃の古代オリエントには4種の野バラがあり、これらの交雑によって新品種が生まれました。

 古代ギリシャ・ローマ時代には既にヨーロッパ全体に定着し、中近東でも赤バラはアッラーを、白バラはムハンマドを表す聖なる花になっています。中世にはその美しさが人心を惑わすとされ、修道院で薬草として栽培されるもの以外はキリスト教会によって禁止されます。でも、中近東から逆輸入される形で再び広まり、ルネサンス期には数多くのバラ園が造られました。19世紀に入り、バラの栽培技術が飛躍的に発展し、人工授粉によって品種改良が行われ、中国産のバラが江戸時代までに日本に伝わっていました。