2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ヤブコウジの赤い実

ヤブコウジ(藪柑子)はサクラソウ科ヤブコウジ属の常緑小低木。「藪柑子」は「藪に生える柑子(ミカン類)」の意味で、冬に赤い果実をつけ、別名が十両(ジュウリョウ)。 ヤブコウジは『万葉集』では山橘(ヤマタチバナ)と呼ばれ、古くから日本人に愛され…

赤い実:サンシュユ

既に何度も書いたのですが、ピラカンサの主な品種にはトキワサンザシ、タチバナモドキ、ヒマラヤピラカンサ、カザンデマリなどがあり、園芸ではどれも「ピラカンサ」と呼ばれています。学名はPyracanthaで、ラテン語でピラカンサ属なのですが、日本ではトキ…

サザンカの季節が来た!

何とサザンカは私の住む江東区の木、花です。そのためか、街路樹や生垣にサザンカが多く使われていて、例年通り、花が咲き始めています。サザンカはツバキ科ツバキ属の常緑の広葉樹。サザンカの花と言えば、童謡の「たきび」の歌詞が反射的に口をつきます。…

歩道のトノサマバッタ(2)

先日湾岸地域でトノサマバッタ(殿様飛蝗)を初めて見たと記したが、空き地の周りを歩いてみると、歩道のあちこちで日向ぼっこをしているトノサマバッタが見つかる。草の繁る空き地から歩道にでて、直に太陽光を浴びているようで、叢より効率がよさそうなの…

赤い花の画像を見比べ、気づき、知ろう

バラの画像が一つだけあることに気づきますか。何かに「気づく(be aware of)」、何かに「感じる」ことが知る「きっかけ、ヒント」になり、その何かを意識する(be conscious of)、知る、わかることになるのが私たちの意識や知識の有り様の一つです。気づ…

レウィシアの花

レウィシア(Lewisia cotyledon)の花は12月から5月に咲くのですが、既に咲いている花がありました。レウィシアはスベリヒユ科レウィシア属の常緑多年草で、原産地は米国オレゴン州からカリフォルニア州にまたがる山地で、岩場などに自生している高山植物です…

白秋の「金魚」と八十の「金糸雀」

昨日は「自然の中の赤い実の意味」で、北原白秋作詞、成田為三作曲の童謡「赤い鳥小鳥」について述べました。今日はそれに関連する別の童謡の歌詞を考えてみましょう。 童話童謡雑誌『赤い鳥』は、1918(大正7)年、夏目漱石門下の鈴木三重吉が創刊。有島武…

サフランの花

クロッカスの原産地はヨーロッパ南部や地中海沿岸から小アジア。晩秋に咲き、花を薬用やスパイスとして用いるサフランに対し、花を愛でるクロッカスは早春に咲き、春サフラン、花サフランと呼ばれてきました。クロッカスはアヤメ科クロッカス属の総称で、最…

アケボノフウロの花と葉

フウロソウ科のアケボノフウロ(曙風露)はヨーロッパ、西アジア原産で、原産地では日当りのよい草原などに自生する多年草です。日本には園芸用として入ってきました。 花色は紫の他に白もあり、花弁5枚に濃い筋の入った花を複数咲かせ、葯のついた雄しべ10…

自然の中の赤い実の意味

北原白秋作詞、成田為三作曲の童謡「赤い鳥小鳥」の歌詞は次の通りです。 赤い鳥 小鳥 なぜなぜ赤い 赤い実を食べた 白い鳥 小鳥 なぜなぜ白い 白い実を食べた 青い鳥 小鳥 なぜなぜ青い 青い実を食べた 白秋の詩のリズムや意味はさておき、鳥と実、そして色…

晩秋のブーゲンビリアの花

ブーゲンビリアはオシロイバナ科ブーゲンビリア属に属する熱帯性の低木で、和名はイカダカズラ(筏葛)、ココノエカズラ(九重葛)。「筏葛」はブーゲンビリアの花弁に見える苞(ほう)をいかだに、中心の花を人に見立てて命名されました。 原産地は中南米の…

ピラカンサ:タチバナモドキの柿色の実

ピラカンサの主な品種にはトキワサンザシ、タチバナモドキ、ヒマラヤピラカンサ、カザンデマリなどがあり、園芸ではどれも「ピラカンサ」と呼ばれています。学名はPyracanthaで、ラテン語でピラカンサ属なのですが、日本ではトキワサンザシ属と呼ばれ、バラ…

ウツギの実

ウツギ(空木、卯木)はアジサイ科ウツギ属の落葉低木で、「ウツギ」という和名は幹(茎)が中空であることからの命名。別名は「卯の花」で、童謡「夏は来ぬ」の歌詞を思い出す人もいる筈です。「…ウツギ」と呼ばれる植物が湾岸地域にもたくさんあり、それら…

11月の小昆虫の世界

チャバネアオカメムシは緑色の体色に茶色い羽が特徴的なのですが、越冬する個体は色が変わっているものがたくさんあります。日照時間が短くなることによって、冬を感じて体色が茶色くなったり、赤っぽくくすんできたりしますが、画像の個体も茶色に変わって…

チェリーセージの花の色合い

湾岸地域でよく見ることができるチェリーセージ(ホット・リップス)はサルビア・ミクロフィラ (Salvia microphylla)の園芸品種です。チェリーセージはメキシコ北部原産の多年草で、茎頂や葉腋から花序を出し、赤色の花をつけるのですが、条件に応じて、赤…

「都会でつながる」とは?(2)

言葉の分析を離れ、「つながる」ことの内実について考えてみよう。まず、「なぜつながる」より「何によってつながる」のか見てみよう。人は当然言葉によってつながるのだが、どんな内容の言葉でつながるのだろうか。 人々と故郷をつなぐ、つなげるものは人々…

コウテイダリアの花

コウテイダリア(皇帝ダリア)は学名の Dahlia imperialisの訳で、別名のキダチダリア(木立ダリア)は英語名のTree dahliaを訳したものです。それぞれ植物のサイズ、植物の茎の特徴から命名されていて、命名の仕方の違いがよくわかります。コウテイダリアは…

ジョロウグモと秋の深まり

秋が深まり、腹部が膨らんだジョロウグモが目につき出した。ジョロウグモは害虫を捕食する益虫で、都市部から山地まで広く生息し、その姿を見ることができる時期は 9月~11月頃。湾岸地域の辰巳や夢の島の公園内でもジョロウグモとその網を見ることができる…

ホルトノキの実

ホルトノキの紅葉は年中見ることができるが、それは古い葉が落ちる前に紅葉するため。その紅葉は実に鮮やかである(画像)。ホルトノキはホルトノキ科の常緑高木で、別名はモガシ。ホルトノキの実がポルトガル(ホルト)から来たオリーブの実に似ており、そ…

「都会でつながる」とは?

昨日の新聞記事に「都会でつながる若者たち」という表現があった。「つながる」はずっと気になっていた自動詞で、その他動詞は「つなげる」。この「つながる」には他動詞「つなぐ」もある。そこで、自動詞と他動詞の関係をまとめてみよう。 (1)自動詞でペ…

11月のポンカンの実

ポンカン(椪柑、凸柑)はミカン科ミカン属の柑橘類の一種。ポンカンはインド北部が原産地で、日本には1896(明治29)年に台湾総督が苗木を鹿児島に送り、移植したのが最初です。甘みが強くて酸味は控えめ。果肉はやわらかく、果汁も多く、香りのよい柑橘で…

ヤシについての無知のループからの脱出

「ヤシが身近にない、知る機会がない、だから、関心、好奇心が持てない」という無知のループが子供の頃の私にはあって、「椰子の実」の歌詞がうまく想像できず、さらに、南の国の草木は全くの謎で、その結果、椰子の類はまるで実在感がなかった。今でも残り…

ガザニアの花たち

ガザニアはキク科ガザニア属(クンショウギク属)の半耐寒性多年草、または1年草で、南アフリカが原産。別名は花弁の形からクンショウギク(勲章菊)。様々な色、シルバーリーフ等々、ガザニアには実に多様な品種があります。属名の「Gazania」はギリシャの…

プリベットの実

プリベット(privet)は中国やヨーロッパを原産とする常緑低木で、湾岸地域にはあちこちに植えられている。軽やかな印象の葉が密生するため、公園や商業地の植え込みなどに多用される。欧米では生垣として使用されることの最も多い樹種の一つ。 プリベットは…

ヒャクニチソウの花

ヒャクニチソウ(百日草)はキク科の一年草で、学名はジニア・エレガンス(Zinnia elegans)。最近はジニアと呼ばれることが多い。原産地はメキシコで、日本には江戸末期の1862(文久2)年頃に渡来した。「百日草」の名前の由来は開花期が百日と言われるほど…

シコンノボタンの「紫紺」

「シコンノボタン」とは「紫紺の牡丹」ではなく、「紫紺野牡丹」。明大のスクールカラーである紫紺(しこん)は、紺色がかった暗めの紫色。その紫色は幅があり、京紫から江戸紫までを優に含み、しかも変化する。シコンノボタンはノボタン科の常緑低木で、そ…

レウコフィルム・フルテスケンスの花

レウコフィルム・フルテスケンス(Leucophyllum frutescens)はアメリカのテキサスからメキシコ北部の日当たりの良い乾燥地に自生します。乾燥地に生え、高さは1~3メートルになります。葉は丸く、銀白色の毛があります。6月から11月まで、淡い紫紅色の筒状…

ヤマブドウとノブドウの実

日本に野生するブドウの代表はヤマブドウ。ヤマブドウは巻きひげを伸ばして、他の樹木に絡みつく。秋に熟す酸っぱい実は生食できるほか、ジャム、ワインの醸造にも使われる。ヤマブドウは雌雄異株で、雌株しか実をつけない。それが栽培ブドウとの違い。栽培…

カヤやシバ

「枯れススキ」と聞くと、秋の侘しさだけでなく、人生の悲哀も感じてしまうのですが、最近は侘しさよりは美しさを感じさせるカヤやシバの類が随分と増えています。湾岸地域にはススキが意外に多く、今はそれが秋の風情を醸し出しています。それと並んで観賞…

ボケの11月の花

ボケ(木瓜)は春に赤や白の花を咲かせる花木で、平安時代の頃から日本人に親しまれてきました。3~5月に赤、白、ピンク、オレンジの花を咲かせるのですが、11月頃から花が咲き始めるものもあり、春に咲くものと区別して「寒木瓜(カンボケ)」と呼んでいま…