サフランの花

 クロッカスの原産地はヨーロッパ南部や地中海沿岸から小アジア。晩秋に咲き、花を薬用やスパイスとして用いるサフランに対し、花を愛でるクロッカスは早春に咲き、春サフラン、花サフランと呼ばれてきました。クロッカスはアヤメ科クロッカス属の総称で、最も古くから栽培されてきたのがサフランCrocus sativus)。

 ところが、クロッカスには秋咲きのものもあり、その名の通り10月下旬から11月になって花が咲き、クロッカス・コンカラーと呼ばれています。同じ時期にサフランも咲きますが、どちらもライラックブルーの花色で、よく似ています。二つの違いは、コンカラーの雌しべは花の真ん中に固まり、黄色ですが、サフランの長い雌しべは赤く、三本あります。この雌しべからサフランができますが、1gつくるのに400本ほどの雌しべが必要で、とても高価です。

*昨年クロッカス・コンカラーとして画像を紹介したのですが、三本の見事な赤い雌しべはサフランであることを示していて、訂正いたします。イラン原産のサフランは染料、香料、薬用として栽培されてきましたが、今は観賞用としても利用されています。パエリアやサフランライスの黄色は、サフランの3裂した赤色の雌しべから得られます。