晩秋のブーゲンビリアの花

 ブーゲンビリアオシロイバナブーゲンビリア属に属する熱帯性の低木で、和名はイカダカズラ(筏葛)、ココノエカズラ(九重葛)。「筏葛」はブーゲンビリアの花弁に見える苞(ほう)をいかだに、中心の花を人に見立てて命名されました。

 原産地は中南米熱帯雨林で、花の色は赤から白まであり、画像は赤紫の花。とはいえ、ブーゲンビリアの「本当の花」はいわゆる花の中央部にある小さな薄黄色い部分です。色づいた花びらに見える部分は花を取り巻く葉(苞葉)です。いわゆる「ブーゲンビリアの花」はこの葉を指していて、しかもこの葉が「魂の花」と呼ばれてきました。でも、それは実は苞葉で、私たちはブーゲンビリアにすっかり騙されているという訳です。ブーゲンビリアが花をつけている期間は長く、日本でもほぼ年中花を見ることができます。ですから、熱帯の植物であるにもかかわらず、今でも花、いや苞葉を見ることができます(画像)。

 そこで、ブーゲンビリアの花を見直すと、一重咲きの場合、3枚の苞が一組になっていて、苞の中に小さな花のようなものが突起しているのが見えます。これが花の萼(がく)です。萼の内部には雌しべが1本、雄しべが8本あります。