チロリアンランプの花

 12月に入り、随分寒くなりましたが、まだチロリアンランプの花が咲いています。チロリアンランプアオイ科アブチロン属の常緑低木で、ブラジル原産。吊り下げたランタンのように見える赤と黄色の鮮やかな花を咲かせ、そのためチロリアンランプと呼ばれています。和名はウキツリボク(浮釣木)。

 さて、画像のホオズキのような赤い袋状のものは花ではなく、萼(がく)です。黄色いヒラヒラした部分が花弁で、下に伸びているものが蕊(しべ)。チロリアンランプは赤い袋状の萼と黄色の花弁が共同して(広義の)花をつくっているのです。開花時期は4月~11月で、春から秋まで長い期間花を楽しめます。

*私たちがチロリアンランプの花と呼ぶものは広義の花で、萼と花弁(狭義の花)の合作を私たちは花として鑑賞しています。一方、今咲いているブーゲンビリアの花はいわゆる花の中央部にある小さな黄色い部分で、花びらに見える部分は花を取り巻く葉(包葉)です(画像)。また、花弁が退化し、萼弁が花弁の役割を果たしているのがアジサイ。「花」は多義的で、様々な「花擬き」が存在します。