ウツギの実

 ウツギ(空木、卯木)はアジサイ科ウツギ属の落葉低木で、「ウツギ」という和名は幹(茎)が中空であることからの命名。別名は「卯の花」で、童謡「夏は来ぬ」の歌詞を思い出す人もいる筈です。「…ウツギ」と呼ばれる植物が湾岸地域にもたくさんあり、それらを苦労しながら特定してきたのですが、肝心のウツギはなかなか見つかりませんでした。それがすぐ近くで偶然見つかったのです。

 初夏の花が見事なヒメウツギ(姫卯木、姫空木)はアジサイ科ウツギ属の落葉低木。背が高くならない匍匐性のウツギの仲間で、綺麗な白い花が咲くので、庭木として使われています。伸びた茎の先に白い花を穂状に咲かせます(画像)。ウツギの花もこのヒメウツギの花によく似ています。公園の常連アベリアは枝いっぱいに小さな葉と小さな花をつける低木ですが、和名はハナツクバネウツギ。バイカウツギ(梅花空木)はアジサイバイカウツギ属で、白い梅の花に似た花をつけます(画像)。でも、ハコネウツギとなると、その花はヒメウツギとは随分違います。

 さて、ウツギの花は下向きですが,果実は上向きになります。ウツギは花期を終えるとすぐに実をつけ、5月下旬には小さな緑色の実を枝先に見ることができます。球形の実は蒴果で木質。熟すと3~4裂します。

*ウツギの木の隣に同じように実をつけていたのがタチバナモドキ。二つの実のサイズや色の違いを画像から見比べて下さい。

*おからを「卯の花」と呼ぶのは、ウツギの咲いている様子に見立て、枝の芯が空洞で、おからの「から」が「空っぽ」に通じることからの洒落のようです。

ヒメウツギ

バイカウツギ

左ウツギ、右タチバナモドキ