11月7日が立冬で、周りの風景は随分と変わり、紅葉が次第に目立ち始めている。私は秋のナンキンハゼ(南京櫨・南京黄櫨)の紅葉が好きで、これまで随分と楽しませてもらってきた。
紅葉は植物の葉にアントシアニンが蓄積し、クロロフィル(葉緑素)が減少することで引き起こされる。紅葉や黄葉の色はアントシアニン、クロロフィル、カロテノイドの三種の色素によって決まる。アントシアニンは多くの植物に含まれる色素で、赤や青、紫など幅広い色を生み出す。一方、クロロフィルは光エネルギーを吸収して、自らのエネルギーをつくる植物には重要な化学物質で、緑色をつくり出す。カロテノイドは黄色の色素で、紅葉する前の多くの葉に含まれる。春や夏はクロロフィルが多く含まれているため、葉は緑色や黄緑色に見えている。花と葉の違いはあっても、そこには似たような化学過程が起こっている。花も葉も似たような化学に左右され、それが「花見」や「紅葉狩り」につながっていることが頷ける。
さて、ナンキンハゼの花には雄花と雌花の違いがあり,同じ株に両方の花が咲く。一方、イチョウやハマヒサカキは雌雄異株異花。雌雄同株だと親と同じ遺伝特性を受け継ぎやすく、安定した環境では子孫を殖やし易い。だが、子の特性が親そっくりなため、環境が不安定になると親子共倒れになる危険がある。一方、ヒトを含めた動物のように雌雄異株であれば(つまり、有性生殖であれば)、他家受精になるので、常に多様な子孫を作ることができ、不安定な環境では有利になる。
そんな断片的な知識とは別に、小春日和の中のナンキンハゼの紅葉と黄葉の組み合わせは見飽きない。湾岸地域には先駆植物であるナンキンハゼが意外に多く、さらに植栽もされたため、今はあちこちで秋のナンキンハゼの紅葉を楽しむことができる。



