雑草だったヤグルマギク(矢車菊)は園芸用に改良され、原種の濃青色から、紫、白、桃色などの花色をもつ品種が作られました。一方、スイフヨウの花色の変化は様々な色を持つ花弁ではなく、一つの花弁の色が時刻に応じて変化するものです。実際、午前から午後へとスイフヨウの花色が赤くなっていくのを確かめることができます。色の時間的な変化にも様々あり、ニオイバンマツリやハコネウツギはスイフヨウよりゆっくりと色が変わっていき、その色変化は可逆的ではありません。
スイフヨウは速やかに色変化が起こるのですが、じっと目を凝らしていても色の変化を感じることが出来る程ではありません。スイフヨウの色変化は眼で確認できる変化の中では随分遅く、確認するには辛抱強くないと無理です。とはいえ、画像からスイフヨウの色変化をある程度は楽しめるのが私たちの脳のもつ能力で、実際の色変化を巧みに合成し、理解できる筈です。
種小名 mutabilisは「変化しやすい」(英語のmutable)の意味で、中国原産のフヨウ(Hibiscus mutabilis)の園芸品種がスイフヨウ(酔芙蓉)。開花直後の白色が次第に赤く変わっていく様子を酒に酔う人の顔色の変化に見立てた、随分と粋な名前です。スイフヨウの花の色は朝に白、午後に桃色から紅色に変化します。室町時代には既に栽培されていた記録があります。スイフヨウの花はフヨウと同じ一日花。一連の画像からスイフヨウの色変化をある程度は楽しむことができます。今年も暑い中でスイフヨウの花が咲き出しています。


