サルココッカの雄花と黒い実

 いい香りが漂い、よく見れば、サルココッカの花が咲いています。花より先に香りに気づくほど、強い香りを放つサルココッカ。蜂蜜のような甘い香りです。その花は葉に隠れてしまいそうな小さな白い花。そんな花が、蝶たちだけでなく、私達まで立ち止らせてしまうほど強い香りを放ちます。

 サルココッカは雌雄同株ですが、花には雌雄があり、同じ枝に雄花と雌花がそれぞれ咲きます(画像の白い花は雄花)。緑色の雌花はその下の方でひっそりと咲き、クリーム色の柱頭2~3本がわずかに顔を出すだけです。雌花の後には緑色の果実ができ、翌年の秋になると赤から黒紫色に熟します(ですから、画像の黒い実は昨年のものになります)。

 常緑の葉は光沢のある深緑色で、冬の緑が魅力的です。サルカコッカの英名はスイートボックス(sweet box)。サルココッカはヒマラヤ、東南アジア、中国南部が原産。「サルココッカ」という名前は19世紀のイギリスの植物学者が名付けましたが、「サルココッカ」はギリシャ語で「肉質の液果」という意味です。