トウダイグサ属の花

 トウダイグサ科は真正双子葉類の科で約300属7500種以上を含む巨大な科。特に、トウダイグサ(ユーフォルビア)属 (Euphorbia) が多く、何と1500種を越える(科や属が多いことの意味はいずれじっくり考えたい)。

 トウダイグサ属の花は雌雄異花で、非常に特殊化した花序の杯状花序をつける。これは小型のカップ状の総包(蜜腺を有する)の内側に単一の雄しべからなる雄花が輪を作り、中央に単一の雌しべからなる雌花が1個あり、全体として1個の花のように見える(画像で確認してほしい)。

 ユーフォルビア・ミルシニテス(Euphorbia myrsinites)の英名は Creeping spurge, Donkey tail, Myrtle spurge。ヨーロッパ原産でユーフォルビア属では唯一の這性(はいせい、茎や枝が地表を這うように伸びる)品種。葉はシルバーグレーで肉質、やや丸みを帯びる。花弁が退化し、花は雌蕊1、雄蕊数本が苞に包まれた杯状花序を形成する。

 ユーフォルビア×マルチニ(Euphorbia×martini)はヨーロッパの地中海沿岸からトルコ、イランにかけて分布する。葉は卵形で、先端が鋭く尖り輪生する。茎頂に杯状花序をだし、小さな花を咲かせる。黄緑色に色づく苞葉が目立つ。

*最初の二枚の画像がユーフォルビア・ミルシニテス、最後の二枚の画像がユーフォルビア×マルチニ