2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ヒヤシンスの花

ヒヤシンス(Hyacinthus orientalis)の小さな花に春を感じると既に記しました。小さな花が春の到来を一心に告げているようで、勇ましくも微笑ましい気持ちになります。キジカクシ科のヒヤシンスは地中海が原産で、属名はギリシャ神話に出てくる少年の名前。…

ヒカゲツツジの花

ヒカゲツツジ(日陰躑躅)はツツジ科の常緑低木。湾岸地域では花が咲き出しているが、別名が「サワテラシ」で、山地、川岸の岩場などに生える。5月頃までにクリーム色の花をつける。シャクナゲに近い形だが、ツツジの名がついている。関東以西の本州、四国及…

ソメイヨシノの本性(Nature)

今年もそろそろ桜の開花時期。日本を代表するサクラは落葉高木で、大きいものは高さ20m、直径1mまでになり、天然記念物に指定されているものも多い。その代表的なものが、山桜の一群。ヤマザクラ、あるいはシロヤマザクラはほとんど白に近い薄紅の花をつけ、…

リキュウバイの花

バラ科のリキュウバイ(利休梅)の別名はウメザキウツギ、バイカシモツケ、ウツギモドキ、マルバヤナギザクラと様々あります。今では庭木、公園樹としてよく栽培されていて、湾岸地域でも見ることができます。画像のような白い花を春に咲かせます。中国の揚…

シデコブシの花

既にハクモクレンについて記した。そのハクモクレンに続いて、花が咲き出したシデコブシ(幣辛夷、四手拳)もモクレン科モクレン属の落葉小高木。別名はヒメコブシ。コブシやモクレンの仲間で、愛知、岐阜、三重の限られた地方に分布する日本の固有種。だが…

ベニバスモモの花たち

ウメか、サクラか、それともアンズかと思いながら近づくと、いずれでもなく、バラ科スモモ属のベニバスモモ。ベニバスモモはミロバランスモモの園芸品種。ミロバランスモモは南東ヨーロッパから西アジアが原産。花は白色から淡いピンク色で直径2センチほど、…

「街道」補足

昨日は私が子供の頃の北国街道などについて述べました。ところで、『街道をゆく』は司馬遼太郎による紀行文集。街道という切り口を通じて、各地の歴史や風俗についての考察が展開されます。1971(昭和46)年に『週刊朝日』誌で連載が始まり、1996(平成8)年…

アンズの花

ウメの花のように見えるが、実はアンズ(杏子)の花。果物というイメージのアンズだが、花もウメに似た綺麗な花を咲かせる。アンズは中国原産で、バラ科サクラ属の落葉小高木。別名は「アプリコット」、「カラモモ」など。 花や実はウメによく似ているが、ウ…

ヤマモモの雌花

昨日ヤマモモの雄花について記した。ヤマモモ科のヤマモモ(山桃)は山に生えて桃のような実をつけるが、バラ科のモモとはまったく異なる植物。湾岸地域に多いクロガネモチはほとんどが雌株だが、ヤマモモは雌雄の株が公園や街路に植えられている。 ヤマモモ…

スイセンの花変化

ヒガンバナ(彼岸花)科のスイセン(水仙)の開花時期は4月末までで、正月前後には既に咲き出しています。湾岸地域でも今はスイセンの花をよく見ます。 白い花の中心部が黄色の「日本水仙」(画像)が最もポピュラーですが、そんな日本水仙の中で花も中心部…

ノースポールの花

冬に咲く白菊として知られるノースポールギク(Mauranthemum paludosum)は日本に1960年代に日本に移入され、真白の北極を思わせる花から「ノースポール」という別名で親しまれるようになりました。 別名は「カンシロギク(寒白菊)」、「ミニマーガレット」…

北国街道と飯山街道を往還する:昭和30年代の小出雲

北国街道(ほっこくかいどう)は江戸幕府が整備した脇街道で、北国脇往還(ほっこくわきおうかん)、善光寺街道(ぜんこうじかいどう)などとも呼ばれていました。追分(軽井沢町の西寄り)で中山道と分かれ、善光寺を経て、直江津で北陸道に合流していまし…

ヤマモモの雄花

ヤマモモ科のヤマモモ(山桃)は山に生えて桃のような実をつけることから、「山の桃」という意味の「ヤマモモ」となったが、バラ科のモモとはまったく異なる植物。 ヤマモモの葉は光沢のある常緑の葉で、樹形も好まれる。そのため、湾岸地域では公園や街路に…

親椿(しんちん)と親水

今はツバキの花が目につきます。武蔵野台地の端にあるのが関口台地で、神田川に面した辺りには南北朝時代から椿が自生し、「つばきやま」と呼ばれていました。そして、そこにできたのが椿山荘です。また、新椿橋(しんつばきばし)は新中川に架かる橋ですが…

ヤハズエンドウの花

ヤハズエンドウはマメ科ソラマメ属の植物で、日本のいたるところで見ることができます。繁殖力が強く、あちこちに自生しています。画像のように茎には巻きひげがあるのがヤハズエンドウの特徴で、周囲の植物に絡みつくことがあります(画像)。別名の「カラ…

マルバ スボバータの花が咲く

画像の花がウスベニアオイ(Malva sylvestris)の仲間だと推測し、調べた結果、アオイ科のマルバ スボバータ(Malva subovata)とわかったのが一昨年でした。Wikipediaによれば「Malva subovata, the tree mallow, is a species of flowering plant in the f…

「花はなぜ咲くのか」への解答:老人の杞憂

心配する必要がないのに心配するのが老人の本性で、その一つが「花はなぜ咲くのか」への解答。花が咲く理由は、風にそよいだり、虫をおびき寄せたりすることによって、花粉を遠くへ運んでもらう必要があったからというのが常識的な解答。ダーウィニズムに従…

春のヒメオドリコソウ

今広い公園にはホトケノザとヒメオドリコソウの花が咲いている。ホトケノザはその葉の形が仏様の台座のように見えるというのが名前の由来。ホトケノザといえば春の七草の一つとして有名。だが、残念ながら七草の「ホトケノザ」は同じ名前の別の植物で、コオ…

オオアラセイトウの花

アブラナ科のオオアラセイトウの花が咲いている。それも花壇の端で咲いている。別名が「ハナダイコン(花大根)」、「ショカツサイ(諸葛菜)」、「ムラサキハナナ」で、江戸時代に観賞用として渡来し、野生化したものとされているが、最近は園芸用に種や苗…

ネモフィラとオオイヌノフグリの花

ムラサキ科ネモフィラ属のブルーインシグニスが一面に咲く光景で有名になったのが国営ひたち海浜公園ですが、普通はネモフィラと呼ばれています。ネモフィラは4月中旬に見頃になり、花径2cmほどのサイズで、みはらしの丘一面が青く染まり、インスタ映えする…

シベリアザクラの花

色んな桜が咲き始め、カワズザクラなど既にすっかり散ってしまっているが、今咲いているのがシベリアザクラ(バラ科)。滅多に見ないシベリアザクラだが、早春にピンクの八重咲きの花をたくさん咲かせる。 シベリアザクラ(Prunus triloba)は日本ではやはり…

Selection:Natural selection or Artificial selection

一体何が、誰が選択するのか?自然選択は自然が、人為選択は人が選択することになっているが、人が自然のものである以上、いずれの選択も自然による選択ではないのか。それでも、人工的な交配と自然な交配は区別され、園芸種は自然種(Natural kind)ではな…

椿の花たち

今はツバキの花をあちこちで観ることができます。Camellia japonicaの原種であるヤブツバキが大半を占めています。地面に落ちたツバキの花の姿は生死の姿をそのまま具現しているようで、いつも考えさせられます。何輪も歩道に散らばっていると、時には花の命…

枯れ木に花?

ソメイヨシノより先に満開のハクモクレンは青空の中で存在感を示しています。皮肉好きなら「枯れ木も花の賑わい」と揶揄するかもしれません。そんなへそ曲がりより、先ず花をつけることによって植物の本性を実現する試みが表現されていると優等生的に考える…

ハマダイコンの花

昨年ハナダイコン(=オオアラセイトウ)とハマダイコンの違いについて随分と頭を悩ましました。どちらもアブラナ科の越年草で、ハナダイコンの和名が「オオアラセイトウ(大紫羅欄花)」です。別名が「ショカツサイ(諸葛菜)」。 一方、ハマダイコン(浜大…

オウバイモドキの花

早春にロウバイが、次にオウバイが開き、そして今はオウバイモドキの花が咲いている。オウバイの中国語名は「迎春花」、英名は「ウィンター・ジャスミン」。オウバイはモクセイ科の半蔓性の落葉低木で、原産地は中国。早春に梅に似た形の黄色い花を咲かせる…

ヒヤシンスが咲き出す

ヒヤシンス(Hyacinthus orientalis)の小さな花が今年も咲き出し、地表に春を感じる。 キジカクシ科のヒヤシンス(風信子、飛信子)は球根性多年草。ヒヤシンスは地中海が原産で、属名はギリシャ神話に出てくる少年の名前(*)。16世紀以降にオランダで改…

キブシ(木五倍子)の花

「木五倍子」の漢字を見てもわからず、好奇心が掻き立てられるキブシはキブシ科キブシ属に属する雌雄異株の落葉低木で、別名キフジ、と言われても何だかよくわかりません。和名は果実を染料の原料である五倍子(ふし)の代用として使ったことに由来します。 …

シキミのもつ不気味な雰囲気

シキミ(樒)はマツブサ科シキミ属の常緑小高木。葉は厚く艶があり、春に淡黄白色の花を咲かせる(画像)。秋から冬にかけてつける星型の実には毒が含まれます。そのため、「悪しき実」が「シキミ」の由来と言われています。 仏事に用いるために寺院によく植…

よく似た色合いの理由

ヒマラヤユキノシタは早春にピンクの花を咲かせるユキノシタ科の多年草で、常緑性で冬でも緑色の葉姿を楽しむことができる。原産地は東アジア〜中央アジア。「ヒマラヤユキノシタ」という名前は、学名のベルゲニア・ストラケイ(Bergenia stracheyi)に和名…