スイセンの花変化

 ヒガンバナ彼岸花)科のスイセン水仙)の開花時期は4月末までで、正月前後には既に咲き出しています。湾岸地域でも今はスイセンの花をよく見ます。 白い花の中心部が黄色の「日本水仙」(画像)が最もポピュラーですが、そんな日本水仙の中で花も中心部も白いのが「ペーパーホワイト」(画像)です。

 スイセンは地中海沿岸が原産で、平安末期に中国から渡来しました。漢名の「水仙」を音読みし、「すいせん」となったのですが、漢名は「仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙」という中国の古典から、綺麗な花の姿と芳香が「仙人」のようだということから命名されました。スイセン属の学名「ナルシサス(Narcissus)」はギリシャ神話の美少年の名前で、彼は泉に映った自分の姿に恋をし、毎日見つめていたら、花になってしまいました。また、スイセンの別名は「雪中花(せっちゅうか)」。

 湾岸地域ではニホンズイセン(日本水仙)とキブサスイセン(黄房水仙)が多く、それにヤエザキスイセン(八重咲き水仙)等が続きます。ニホンズイセンの色が変わることによってキブサスイセン、シロバナスイセンができ、一重のニホンズイセンが八重に変わることによって八重咲のスイセンになり、その逆も可能となります。つまり、四種のスイセンの間の変換によって、多様な花姿がある程度は説明できるのですが、スイセンの形態や色彩の変化はそれを遥かに超えています。

 クチベニスイセンは副花冠の縁に紅色、濃い黄色が入るスイセンのことで、水仙特有の芳しい香りを放ちます。最初この花を見た時はとても不思議な印象で、鮮やかな紅色の縁取りと黄色が目に飛び込んできました。フサザキスイセンNarcissus tazetta)も地中海沿岸地方からシルクロードを通って日本へ渡来したもの。その他の品種も画像で確認して下さい。

ニホンズイセン

ペーパーホワイト

キブサスイセン

フサザキスイセン

ミニラッパスイセン

クチベニスイセン