ナツズイセンの花

 ナツズイセン(夏水仙)はヒガンバナ科の有毒の多年草。春にスイセンに似た葉を伸ばすが、夏には枯れる。葉が枯れた後に、花茎を伸ばして、ラッパ状の花を数個つける(画像)。花は、淡紅紫色で花びらは反り返り、目立つ茎は太く、花は彼岸花に似ているが、彼岸花より先に咲く。その名前は葉がスイセンに似ていて、花が夏咲くことから。また、花期に葉がなく、そのためハダカユリ(裸百合)とも呼ばれる。原産地は中国で、古くに渡来した帰化植物と考えられている。

 現在自然界にあるのは栽培ものの逸出。開花時期に葉がなく、花茎のみが伸び、頂上で複数の花を咲かせる性質はまさにヒガンバナの仲間だが、ラッパ形の花は小振りなユリのようでもある。花色はかわいらしいやや淡いピンク色で、そこに薄い青色が微かについて、水彩画を思わせる。草丈は人の膝(ひざ)上くらい。

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