イヌサフランの花

 ユリ科イヌサフランはヨーロッパ原産の多年草で、10月頃に約15㎝の花茎を伸ばし、サフランやクロッカスに似た花をつけます。でも、サフランやクロッカスはアヤメ科で、イヌサフランとは異なる植物です。また、翌春に20㎝ほどのギョウジャニンニクなど食用の山野草に似た葉をつけ、ヒガンバナと同じように花が咲く時期には葉がない植物です。サフランに似ていますが、有毒で、食用にはなりません。

 イヌサフランの別名はコルチカムで、球根などから「コルヒチン」という痛風の治療に使う有機化合物がとれ、昔から神経痛や痛風の治療に用いられています。種子、鱗茎にコルヒチンというアルカロイドが含まれ、誤食すると皮膚の知覚麻痺を起こし、重症になると呼吸麻痺で死亡します。

 「イヌサフラン」という名前は花がサフランに似ていても、めしべが高価な香辛料になるサフランとは違って、役に立たない(イヌ)ことから名づけられました。

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