私にとってユリの花となれば、オニユリの花。私の子供時代の記憶を遡れば、今よりずっと多くのオニユリが私の周りにあった。私の夏の花はヒマワリとオニユリで、子供の夏の風景の中では主役がヒマワリ、準主役がオニユリだった。どちらも大きく派手で、確かに子供の眼を惹きつける花である。オニユリの花は花径約10cmで、花びらは反り返り、橙色の地に褐色の斑点が花全体に入る（画像）。
オニユリは中国、あるいは朝鮮半島南部を原産とするユリ科の多年草。食用として渡来したものが野生化し、現在では日本各地に見られる。地下に続く茎（鱗茎）は白く、直径６～８センチの平たい球状なる。この鱗茎は食用になり、百合根（ゆりね）と呼ばれている。百合根は多少の苦味があるが、蛋白質や澱粉を大量に含み、天婦羅、煮物、漬物などになる。
