椿の花たち

 今はツバキの花をあちこちで観ることができます。Camellia japonicaの原種であるヤブツバキが大半を占めています。地面に落ちたツバキの花の姿は生死の姿をそのまま具現しているようで、いつも考えさせられます。何輪も歩道に散らばっていると、時には花の命の惨めささえ迫ってきます。ところが、芽吹いた春の草の中に散らばる花には悲惨さより希望さえ感じてしまい、自らのいい加減さも痛感するのです。

 園芸植物としてのツバキは人気が高く、多くの愛好家が様々なツバキを生み出してきました。日本の野生のツバキはヤブツバキとユキツバキが代表ですが、将軍秀忠が江戸城内に諸国から名花を献上させ、それによってツバキ栽培が普及しました。

*画像はどれも園芸植物としてのツバキです。