2022-01-01から1年間の記事一覧

チロリアンランプの花

12月に入り、随分寒くなりましたが、まだチロリアンランプの花が咲いています。チロリアンランプはアオイ科アブチロン属の常緑低木で、ブラジル原産。吊り下げたランタンのように見える赤と黄色の鮮やかな花を咲かせ、そのためチロリアンランプと呼ばれてい…

元気が続くトレニア

トレニアは東南アジアからアフリカの広い地域に分布しています。トレニアの葉は卵型で、鮮やかな緑色です。唇の形をした花は初夏から晩秋までの長い期間楽しむことができます(画像は現在のもの)。別名の「ハナウリクサ(花瓜草)」は、果実の形をマクワウ…

風景を生み出すもの

空の雲の位置や量の違いに応じて私たちの見る風景は随分と異なる。雲と煙、朝日と夕日といった質的な違いだけでなく、雲の有無、雲の量的な違いも、さらに言えば、天候の変化が風景の違いを引き起こしている。そして、それが風景と景観の違いなどと言われて…

ヤブランの黒い実(=種)

ヤブラン(藪蘭)は、キジカクシ科ヤブラン属の多年草。ヤブランには斑入りや花色の異なるものなど20ほどの園芸品種があります。園芸に広く利用されていて、湾岸地域でもあちこちでよく見かけます。庭や公園で栽培され、花期以外にも鑑賞されています。多数…

ネムノキの実

ネムノキ(合歓木)はマメ科ネムノキ亜科の落葉高木。子供の頃、触ると葉が閉じると思い込んでいて、何度触っても、まるで閉じず、がっかりしたのを今でもよく憶えている。触ると閉じるのは同じマメ科ネムノキ亜科のオジギソウ(お辞儀草、含羞草)。一方、…

ジョウザンアジサイの碧い実

ジョウザンアジサイ(常山紫陽花)の学名はディクロア・フェブリフガ(Dichroa febrifuga)で、ユキノシタ科ディクロア属の常緑低木。名前にアジサイとありますが、アジサイとは別属の別種。「碧の瞳」という別名は開花後にできる碧い実(画像)が由来。9月…

赤い実:アオキ

湾岸地域にはアオキ(青木)が多い。アオキはアオキ属の常緑低木。和名の由来は、常緑で枝も青い(緑)ことから。その上、日陰に強いことが湾岸地域でアオキが好まれる理由と思われる。花の少ない初冬に実をつけるため、江戸の昔から盛んに栽培されてきた。 …

ペルシカリア“ファイアーテール”の花

ペルシカリアは細いキャンドルのような穂咲きの赤い花が夏から秋にかけて沢山咲きます。10月過ぎまでたくさん咲いていたのですが、記載が遅れてしまいました。ペルシカリアがたくさんあると、自然の風景を生み出すような効果があり、野生的な庭を造ることが…

「菊薔薇」妄想

『菊と刀』と『薔薇の名前』を混ぜ合わすなら、その一つが「菊と薔薇」となるのだろうが、二つのテキストを比較できても、混ぜ合わすことなどできないというのが私たちの常識。だが、二つの植物はどうだろうか。かつては菊と薔薇は異なる本質をもったものだ…

オニグモ:冥界の蜘蛛

今年の湾岸地域はジョロウグモが多く、オニグモも見つけたと既に記しました。ジョロウグモに比べると、オニグモは派手ではないのですが、凄みのある姿恰好で、存在感があります。大きさも胴体はジョロウグモに匹敵し、迫力十分です。普通より大きいもの、赤…

ペチュニアの花々

ペチュニアは南米原産のナス科ペチュニア属の植物。和名はツクバネアサガオ(衝羽根朝顔)。1767年にフランスのコンメルソンがウルグアイで白花を発見し、ヨーロッパに伝えた。その後、1831年にはブラジルからの赤紫の花と交配され、それが現在のペチュニア…

鬼と龍、そして神や仏

『鬼龍院花子の生涯』の「鬼龍」は姓やシンボルとして今でも意外にポピュラーである。鬼伝説は能の「紅葉狩」から生まれたという乱暴な推測を既に述べたが、鬼より古い化け物が龍である。慈円の『愚管抄』を具体化した世阿弥の「夢幻能」には冥(みょう)の…

ヒャクニチソウとキンセンカの花

ヒャクニチソウ(百日草)はキク科の一年草で、学名はジニア・エレガンス(Zinnia elegans)。原産地はメキシコで、日本には江戸末期の1862(文久2)年頃に渡来した。「百日草」の名前の由来は開花期が百日とも言われるほど長いことから。実際、初夏から晩秋…

紅葉狩の季節に浮かぶ我がモヤモヤ

斐太神社や加茂(賀茂)神社は鎮護、護国、鎮守の役割をもち、地域の自然と社会を守る神社です。頚城地方に出雲の影響が強いことは糸魚川から諏訪までの神社によってわかります。「小出雲」という地名もそれを暗示しています。出雲氏と賀茂氏は同祖であり、…

イソトマの花

キキョウ科のイソトマ(ローレンティア)はオーストラリア、ニュージーランドなどに10種程度が分布し、小さな星形の花を咲かせ、ギザギザの入った葉と青い花は夏に清々しい印象を与えてくれます。花色には白やピンクもあります。でも、イソトマの花言葉は「…

新たな遭遇

昨日の女王バチの画像は末期の一枚かも知れないと言ったが、同じサザンカの周りで別の女王バチに出遭うことができた。偶然の出来事とはいえ、とても不思議な気がしてならない。昨日からスズメバチについて調べていたのだが、ひょっとすると画像の女王バチは…

オオスズメバチの女王バチからの知的刺激

昨日のオオスズメバチの女王バチとの遭遇は、まず私のとても人間的な反応を引き起こしたのですが、実はもっとずっと興奮すべき内容がそこには含まれていたのです。オオスズメバチの女王バチを見たこともない私が女王バチのハチ社会における役割について色々…

ヒメリンゴ(姫林檎)の赤い実

子供の頃、向かいの家の庭にヒメリンゴの木があり、何度かその木にのぼって小さな実を食べたのを憶えている。その味は酸っぱく、渋く、まずかったのが記憶としてしっかり残っている。ヒメリンゴの別名はイヌリンゴ(犬林檎)、ミカイドウ(実海棠)である。…

晩秋のヒャクニチソウ

ヒャクニチソウ(百日草、ジニア、Zinnia)はキク科の一年草。夏から秋にかけて、色とりどりの花を咲かせます。11月末でもあちこちの花壇でヒャクニチソウの花を見ることができます。次から次へと新しい花が咲き続けるため、日本では昔から仏花として重宝さ…

女王バチ追記

スズメバチ科のなかでもオオスズメバチは最大級のサイズで、その中でも女王バチはさらにひと回り大きく、そのサイズは優に5㎝を越えます。オオスズメバチが活発に活動するのは、春から秋の間。働きバチは冬になると死にますが、女王バチは冬になると土や木の…

シレネ・ユニフローラの花

シレネ・ユニフローラ(Silene uniflora)は学名、別名が「ホテイマンテマ」。シレネは西ヨーロッパ及びバルト海沿岸、マデイラ諸島を原産とする半常緑多年草で、ナデシコ科マンテマ属の観賞用の園芸種。 シレネ・ユニフローラはヨーロッパに分布する耐寒性…

オオスズメバチの女王バチ?

オオスズメバチは体長5センチ近くあり、スズメバチ類の中では世界最大。中でもその女王バチは6センチを超えます。オオスズメバチは女王蜂のみが越冬して、その他のハチは冬に死んでしまいます。春になると、女王蜂は自ら小さな巣を作り、数十匹の働き蜂を育…

知識を物語にする

(1) 苦労して手に入れた知識をまとめ上げると、終には理論になります。知識の完成形態は形式的な理論になり、その知識は「何かについて」の理論と呼ばれます。何についての理論かとなれば、それは世界についての理論、つまり「知識=世界についての理論」…

クコ(枸杞)の実

クコは日本を含む東アジア原産のナス科の落葉低木。クコは荒れ地や海岸の砂地のパイオニア植物で、高さ1~1.5mの落葉または半常緑低木。夏から秋にかけて薄紫色の花が咲き、秋に赤い果実をつける(残念ながら、ナスの花に似た、小さな薄紫色の花は見ることが…

ストックの花たち

今花壇に登場し出したのがパンジーとストック。二つが一緒に植えられている場合がほとんどである。ストックの花色は紫、ピンク、白、ブルー、クリームと色々で、花には甘い香りがある。 ストックの仲間は南ヨーロッパ、北アフリカ、西アジアに約50種が分布す…

小春日和の中の昆虫

ツマグロヒョウモンは暖かい地域を好むチョウですが、温暖化のためか、11月に入っても見ることができます。湾岸地域だけでなく、あちこちでツマグロヒョウモンが生息域を拡大しているようです。今日のように暖かい日はアクティブです。オスの翅の表側はヒョ…

赤い実:ヤマボウシ (山法師)

湾岸地域にはハナミズキとヤマボウシがとても多い。共にミズキ科ヤマボウシ属の落葉高木で、よく似た花をつけるが、花期はハナミズキの方が1か月ほど早い。ヤマボウシは日本原産で、「山法師」という名はその特徴のある花を「山伏」の頭巾に見立てたもの。一…

コスモスらしいコスモスとは?

昨日の「晩秋のコスモス」ではオオハルシャギクの「レッド・イル―ジョン」とビデンスを紹介した。どちらも所謂コスモス(秋桜)とは違っている。色んなコスモスがある訳で、それは何も花に限られない。 space と universe は両方とも「宇宙」を指すが、space…

晩秋のコスモス

コスモス(秋桜)という名前がすっかり定着したのがオオハルシャギク(大春車菊、大波斯菊)で、キク科コスモス属の一年草、メキシコ原産です。17世紀にヨーロッパに、日本には明治初頭に渡来しました。 コスモスは秋を代表する短日植物ですが、最近では日の…

クスノキの黒い実

クスノキ(樟、楠)はクスノキ科ニッケイ属の常緑高木。花の後にできる緑色の実は11月には黒紫色に熟します(画像)。中には種が一粒入っていて、ムクドリやカラスなどが食べます。人には樟脳のような香りがあって美味しくありませんが、小鳥たちには好物で…