4月に入り、道端にヤブヘビイチゴの黄色い花が咲いている。日本の野イチゴでよく見るのはヘビイチゴ、ヤブヘビイチゴ、エゾヘビイチゴ、クサイチゴ、ナワシロイチゴなどで、様々なイチゴがこれから野に見られる。
バラ科のワイルドストロベリー(Fragaria vesca)の別名は「ヨーロッパクサイチゴ」、「ウッドストロベリー」、「エゾヘビイチゴ」で、いずれも白い花が咲く。ドイツのバイエルン地方では、牝牛の角の間にイチゴ入りのかごを結んでおくと、妖精が喜んでたっぷり乳を出させてくれる、と伝わっている。ワイルドストロベリーは生でそのまま食べることができるだけでなく、ジャムやシロップ、ケーキやアイスクリーム、パイなどにも利用できる。そのため、バトラーは「全能の神は、おそらく、これより良いベリーをお作りになることができただろう。しかし神は、あえてそうなさらなかったのだ。」と賞讃し、F.ベーコンは「イチゴこそは最も良い香りにも勝る」と述べている。
ワイルドストロベリーの原産地はヨーロッパやアジアだが、北米など世界各地に広く帰化し、日本には明治頃に入り、北海道で野生化し、そのため、「エゾヘビイチゴ」と呼ばれるようになった。エゾヘビイチゴの白い花は4月から10月頃まで咲き続ける。
ワイルドストロベリーの近縁種がヘビイチゴで、黄色い花をつける。ワイルドストロベリーとよく似ているが、花の色が黄色で、実がやや小さく、上向きにつく。ヘビイチゴに毒はないが、味がほとんど無いので食用には適していない。ヘビイチゴという名前はヘビイチゴを食べに来る小動物をヘビが狙うことからこの名が付けられている。
*ヤブヘビイチゴとヘビイチゴの違いはhttps://sizenkan.exblog.jp/30237176/を見てほしい。ヘビイチゴの花は小さめで、副萼片が花弁の外に大きく突き出るが、ヤブヘビイチゴの花はヘビイチゴより大きく、副萼片は花弁の外にわずかしか出ない。
*「木苺」はバラ科キイチゴ属に分類される植物の総称。「野苺」は山野に野生している「木苺」。イチゴは私たちが食べるオランダイチゴ属の野菜である栽培品種のイチゴ、木苺と呼ばれるブラックベリーやラズベリー、野苺と呼ばれるヘビイチゴやナワシロイチゴに大別できる。なお、ブルーベリーはベリーの仲間で、ツツジ科スノキ属。



