ニオイバンマツリの花の色変化

 まずは画像を見てみましょう。画像の植物はニオイバンマツリで、二色の花が咲いているように見えます。でも、実はそうではなく、花の色がある色から別の色へと変わっていたのです。これは時間をかけて観察すればわかることで、その時々の観察結果を比較すれば、簡単に確認することができます。それがわかれば、「どうして一つの木に色の違う花が咲くのか」という疑問に対する「源平咲き」(一つの植物に複数の色の花が咲く)の答えは誤りで、「どうして花の色が時間の経過とともに変わるのか」という問いが正しい、適切な問いだということになります。

 花色の変化の多くは、花に含まれる紫色や青色の要素を発色するアントシアニンと黄色や赤色を発色するカロテノイドという色素の働きが関係しています。花色だけでなく、紅葉もアントシアニンやカロテノイドなどの色素の働きによるものです。

 ニオイバンマツリの花は咲き始めの濃い紫色から淡い紫色になり、2日ほどの間に真っ白な花へと変化していきます。白と紫の色違いの花が株を覆うように咲く姿は見事ですが、ニオイバンマツリの花色の変化は花弁に含まれるアントシアニンが酸化酵素によって徐々に分解されることによって起こり、開花後はアントシアニンの分解が進むことによって次第に淡い花色に変化していくのです。

 こうして、画像の花色は紫色から白色へと変わっていく花の色のある瞬間の画像であることになります。これがニオイバンマツリの「紫色から白色までの花の色」の正しい意味なのです。