ツワブキ(石蕗、艶蕗)の花が咲き出した。晩秋から初冬にかけて咲くツワブキの黄色い花は殺風景な景色に彩を添え、とても人気があるようだ。キク科のツワブキは常緑多年草で、秋から初冬に黄色い花を咲かせ、茎や根に薬効がある。そのツワブキの花はチョウやアブにも人気がある。
葉はフキ(蕗)に似ていて、しかも「蕗」という文字を用いるが、フキの仲間ではない。名前はつやのある葉から「つやぶき」となり、それが変化して「つわぶき」になった。「きゃらぶき」はこのツワブキの葉でも作られる。そのためか、私にはキャラブキ、ツワブキ、そしてフキの区別が上手くつかないのである。
フキ(蕗)は初春に黄色または黄緑色の花を小さく固まって咲かせ、雄花と雌花がある。ツワブキは秋から冬にかけて、黄色いキクに似た花を咲かせる(画像)。
*「きゃらぶき」は、フキの佃煮で、九州ではツワブキを原料に使うことも多い。醤油で煮しめた濃い茶色が伽羅(きゃら)の木の色と似ていることから、「伽羅色のふき」が転じて「きゃらぶき」となった。
さて、ハナアブは複眼の付き方によって雌雄の区別ができる。頭の上で複眼がくっつき合っているのがオス、離れているのがメス(画像で確認)。アブラムシを捕食して育つホソヒラタアブは私たちの目にとまる身近なハナアブの一種。ハナアブはアブと呼ばれているが、人を刺すアブではなく、ハエの仲間である。昔はショクガバエ(食蚜蠅)と呼ばれ、それは「アブラムシを食べるハエ」という意味で、一部の幼虫がアブラムシを主食とするためだった。ハナアブは英語ではHoverfly、Flower fly、人を刺すアブはHorse fly。
ハナアブ科のホソヒラタアブは腹部が黄橙色と黒色の縞模様で、それぞれの節に(太帯と細帯の)各2本ずつの黒帯があるスマートなアブ。Hoverflyと呼ばれるように、ホバリングしながら花から花へと飛び回り、湾岸地域でもよく見られる。ホソヒラタアブは飛翔の名手であるだけでなく、空中で静止するホバリングも得意で、交尾も空中でホバリングしながら行う。
*画像はツワブキとホソヒラタアブ。最後の二枚の画像でツワブキのメスとメキシコマンネングサのオスを確認できる。