モクセイ科のマツリカ(茉莉花、アラビアジャスミン)は香料用植物として知られるジャスミンの一種で、学名はJasminum sambac。インド、スリランカ、イラン、東南アジアなどで自生する。漢方では花と根を生薬として用いる。仏陀の歯にたとえられる純白の花はクチナシに似た強い香りを放ち、仏の国に香るとされる。夏の夕方から早朝に花開き、時間がたつと紫がかったピンク色に変色する。
中国では早朝に摘んだ生花の香りを緑茶に移したり、乾燥した蕾をウーロン茶に混ぜ、ジャスミンティーをつくったりする。和名のマツリカは、漢名の「茉莉花」を日本語読みしたもの。ハワイのカイウラニ王女がマツリカの花と孔雀(ピーコック)の両方を好んだことから、孔雀を意味するピカケと呼ばれている。フィリピンでは「サンパギータ」と呼ばれ、インドネシアと同様に国花となっている。


