ワルナスビとママコノシリヌグイの花

 道端や空き地に生える北米原産で、ナス科の帰化植物ワルナスビ(悪茄子)は白色か淡紫色の花弁に黄色い雄蕊がアクセントになった花をつける。しかし、これが中々の曲者で、不用意に抜き取ろうとして掴むと、茎だけでなく、葉の両面に生える固くて鋭い棘が手に刺さり、痛い目に遭う。ナス(茄子)のヘタにも棘があり、子供の頃は何度も痛い目にあったが、その比ではないのがワルナスビの棘。ワルナスビの実にはソラニンという毒が含まれ、実だけではなく、全草に毒を持っている。

 ワルナスビが日本で初めて発見されたのは、今から100年ほど前のこと。牧野富太郎が千葉県成田市の御用牧場で発見したのが一番古い記録とされていて、「悪茄子」という名前はその牧野が命名した。

 雑草の生い茂る中に踏み入り、茎に触ると、棘に刺され、それが結構痛い。タデ(蓼、たで)科のママコノシリヌグイ(継子の尻拭い)の棘で、見渡せば、藪の中一面がママコノシリヌグイに占領されている。

 その奇妙な名前のママコノシリヌグイはピンク色の米粒が重なったような花をつける。大きい葉なので落し紙の代用に最適なように見えるのだが、葉の裏にも刺毛があるため、憎い継子にしか使えないという意味で名づけられたと言われている。別名のトゲソバ(棘蕎麦)はトゲをもち、花や実が蕎麦に似ていることからつけられた。白花はシロバナトゲソバ。

 花はミゾソバにそっくりの頭状花序で、花序の下には腺毛がある。春に咲き始め、秋まで咲いている(画像は開花前の花が多い)。

*「ママコノシリヌグイ」も牧野富太郎命名だが、今の子供たちには「茄子」、「継子」、「落し紙」、「尻拭い」も解説が必要だろう。

**ミゾソバは花姿が金平糖に似ているため「コンペイトウグサ」、葉の形が牛の頭に似ているため「ウシノヒタイ」の別名がある。