ワルナスビ(悪茄子)の花と棘

 ママコノシリヌグイと同じように棘をもつ植物の一つがワルナスビで、こちらの棘も痛そうで、敬遠したくなる。平地の道端や空き地に生える北米原産、ナス科の帰化植物で白色か淡紫色の花弁に黄色い雄蕊がアクセントになった花をつける。しかし、「ワルナスビ」の名前でも分かるように、これが中々の曲者で、不用意に抜き取ろうとして掴むと、茎だけでなく、葉の両面に生える固くて鋭い棘が手に刺さり、痛い目に遭う。

 茄子のヘタにも棘があり、子供の頃は何度も痛い目をしたが、その比ではないのがワルナスビの棘。ワルナスビの実にはソラニンという毒が含まれている。ワルナスビは実だけではなく、全草に毒を持っている。

 ワルナスビが日本で初めて発見されたのは、今から100年ほど前のこと。牧野富太郎が千葉県成田市の御用牧場で発見したのが一番古い記録とされていて、不作為に日本に持ち込まれた植物。「悪茄子」はその牧野が命名した。