スイセンの多様な花姿

 大寒に入り、スイセンの花をあちこちで見かける。やはり多いのがニホンスイセン(日本水仙)とキブサスイセン(黄房水仙)。その他にはヤエザキスイセン(八重咲き水仙)、シロバナスイセン(白花水仙)で、これらは前の二つにくらべるとずっと少ない。

 ニホンスイセンの色の変化によってキブサスイセン、シロバナスイセンができ、一重のニホンスイセンが八重に変わることによって八重咲のスイセンになり、その逆も可能となる。つまり、四種のスイセンの間の変換によって、四種のスイセンの間の関係が説明できる。あるいは、スイセンを形態や色彩の変換によって分類することができる。

 「水仙」の音読み「スイセン」は中国古典『天隐子神解章』の「在人谓之人仙,在天曰天仙,在地曰地仙,在水曰水仙」(仙人は、天にあるを天仙、地にあるを地仙、水にあるを水仙)に由来し、綺麗な花の姿と芳香が「仙人」のようなところから命名された。また、学名でもある英名「ナルシサス(Narcissus)」はギリシャ神話の美少年の名前で、彼は泉面に映った自分の姿に恋をして毎日見つめ続けたら、いつのまにか花になってしまった。また、別名は「雪中花」で、雪の中に置きたくなるが、こうなると演歌か日本酒の名前。

日本水仙

八重咲き水仙

黄房水仙

白花水仙