カラタネオガタマはモクレン科の常緑樹で、別名はトウオガタマ(唐招霊)。どちらも何とも神々しい名前である。中国南部原産で江戸時代に渡来。オガタマは「招霊(オキタマ)」が転訛したもので、かつては神の「依代(神霊が寄り憑く樹木、岩など)」として寺社を中心に植栽されたが、大きくならず管理しやすいため、次第に一般家庭にも普及した。樹高は3~5mで、4,5月頃に咲く。私が気づいたのはバナナのような強い甘い香りだったが、それが特徴だということは後でわかった。
日本の暖地にはオガタマノキが分布するが、カラタネオガタマの方が枝葉が密で、花付きも良い。花はバナナに似た香りを放つため、英語ではバナナブッシュと呼ばれる。香りが強いため好みが分かれる。画像のように花弁が全開せず、控えめに咲くのが特徴。花の色から、画像の一つはポートワインと呼ばれる園芸種と思われる。
春先に深山含笑(ミヤマガンショウ)を紹介した。やはり中国原産の花木で、春に半八重のタイサンボクに似た、香りのある白い花を咲かせる。そのミヤマガンショウもカラタネオガタマの仲間である。