今朝は気温20度以上、南風が強く、雲も多かった。そのためか、私の眼前に現れたのが瞬時の朝焼け。空の広さ、雲の形状、太陽光線などが複雑に組み合わされて、見事な風景が一瞬生まれたのだろう。
人は風景の凄さ、美しさにしばしば驚嘆する。だが、それだけでなく、その自然の魅力をそれぞれの心に勝手に取り込み、巧みに解釈してしまうのが常のようだ。朝焼けに何か別のものを感じ、時には吉凶さえ占ってしまうのもまた人である。これも人と自然のごく普通の結びつきで、長い間そんな関係が保たれてきた。
恒常的で変わらない風景の対岸にあるのが朝焼けのような瞬時に変わる幻のような風景。だが、強烈な印象を与える点で、二つの風景に優劣はなく、いずれも私たちの心を同じように惹きつける。