2021-01-01から1年間の記事一覧
上記のタイトルで既に記事を書きました。それをある観点から見直してみましょう。 ふるさとである信越地方の言い伝え、伝承、民話などを探っていくと、もっぱら神話中心の出雲文化の信越への伝播があり、その後に登場するのが妖怪や鬼、大泥棒の物語です。さ…
今年もららぽーと豊洲の傍にある晴海橋公園のジュウガツザクラ(十月桜)が咲いています。数本の桜の木が植えられていて、少し寂しげに、でも綺麗に咲いています。十月桜の開花時期は10月下旬から翌年1月初旬までと、3月末から4月初旬までで、二度咲きします…
既に何度かカクレミノ(隠蓑)について述べてきました。葉は濃緑で光沢がある卵形の単葉で、枝先に互生します。花は6月から8月に咲き、実は長さ1cmくらいで先端に花柱が残り、晩秋に黒紫色に熟します。11月に入り、そのカクレミノの実が黒紫色に熟しています…
いもり池の畔に新しい妙高高原ビジターセンターが最近仮オープンし、いもり池の存在がさらに重要になっています。でも、私にはこの池が不思議極まる存在で、気になって仕方ないのです。 『妙高高原町史』(1986年)には、いもり池でのヒツジグサとスイレンの…
ケイトウ(鶏頭、鶏冠)はヒユ科ケイトウ属の一年草です。ケイトウの歴史は古く、奈良時代に中国から渡来してきた植物で、万葉集にも登場するほど、日本になじみの深い植物です。 鶏のトサカ(鶏冠)のように、真っ赤な花を咲かせていることから「ケイトウ」…
オシロイバナ(白粉花、白粧花)はメキシコ原産で、江戸時代始めごろに渡来。美しい花のため観賞用に栽培されますが、今では広く野生化しています。開花時期は6月末から10月末頃で、今年もそろそろ終わりです。寺の鐘のような形のタネをつぶすと、白粉(おし…
湾岸地域でも紅葉が色づき始めました。日本中で紅葉の記事、投稿が相次いでいます。となれば、思い出すのは紅葉伝説。「鬼滅の刃」で脚光を浴びる鬼たちですが、その鬼が登場するのが戸隠、鬼無里、別所温泉などに伝わる鬼女伝説です。この伝説は室町時代か…
若葉を揉んで貼り付けると痛みが取れるので「痛み取り」と言われ、訛って「イタドリ(虎杖)」になった。また、「虎杖」は、若い茎に赤い節が多くつき、それが虎の模様に見えるところからつけられたのが中国名の由来。 茎は酸っぱく、私も子供の頃に食べた記…
紅紫檀(ベニシタン、あるいはコトネアスター)は寒さに強く、実や紅葉が美しく、小型の種類があるために、盆栽や庭園樹としてよく栽培されています。コトネアスター(Cotoneaster)のcotone はマルメロの古いラテン語表記で、-aster は「-に似ているもの」な…
信越地方の言い伝え、伝承、民話などを探っていくと、神中心の出雲文化の後に登場する妖怪や鬼の物語、さらには近代の雪国の自然、祭りの行事や風習(例えば、『北越雪譜』)へと移っていきます。『児雷也豪傑譚』という合本を辿るなら、能や歌舞伎を経て、…
ミヤマシキミは、ミカン科ミヤマシキミ属の常緑低木で、別名シキミア(スキミア)とも呼ばれ、庭木として人気があります。10月頃に成熟する赤い実はマンリョウなどと同様に、冬の庭園に彩を添え、地方によっては仏花や正月の飾り花とされてきました。実の「…
既に紹介したヒイラギモクセイはギンモクセイとヒイラギの雑種で、湾岸地域でもよく植栽されています。ヒイラギモクセイの葉の形と大きさはキンモクセイから、葉の周りが棘になっているのはヒイラギから受け継いでいます。開花時期は、10月の中、下旬で、キ…
ツワブキ(艶蕗)を見ていつも私が思い浮かべるのは「蕗」で、正に「艶のある太い蕗」。ツワブキ(石蕗、艶蕗)はキク科ツワブキ属の常緑多年草で、葉柄は食用になる。海沿いの草原や崖、林の縁によく見られ、葉はフキ(蕗)に似ていて、革質でつやがあるこ…
湾岸地域でもモミジが色づき始め、妙高からは紅葉の便りが届いています。そうなると、思い出すのは紅葉伝説。「鬼滅の刃」で脚光を浴びている鬼たちですが、その鬼が登場するのが戸隠、鬼無里、別所温泉などに伝わる鬼女伝説で、黒姫伝説と並んでよく知られ…
今はあちこちで金木犀の香りが続いているが、よく似た微かな香りで目を向ければ、白い花が見える。近づいて確かめれば、正体はヒイラギモクセイだった。ヒイラギモクセイはモクセイ科モクセイ属の常緑小高木。ヒイラギ(柊)とギンモクセイ(銀木犀)の交雑…
かつて黒姫山という相撲取りがいました。1948年生まれで私とほぼ同年配、師匠の立浪は同じ新潟県出身の羽黒山でした。「黒姫山」という四股名は妙高山の隣の黒姫山なのかと訝る程度で気にもしていなかったのですが、彼の出身が旧青海町(現糸魚川市)である…
シナアブラギリ(支那油桐)の別名はオオアブラギリで、トウダイグサ科アブラギリ属の落葉高木。中国原産で、アブラギリほど多くはなく、野生化している。高さは10~12m、樹皮は灰褐色でなめらか、枝は太くて無毛、はじめ緑色で、のちに暗褐色になる。 実は…
自来也が初めて登場するのは、感和亭鬼武(かんわていおにたけ)が文化3(1806)年に刊行した『自来也説話』(じらいやものがたり)です。この物語は大人気となり、様々なバージョンが登場します。1839年の美図垣笑顔(みずがきえがお)の合巻『児雷也豪傑譚…
ツワブキ(石蕗、艶蕗)の花が今あちこちで咲いている。湾岸地域の造園業者に重宝されているようで、晩秋から初冬にかけて咲く黄色い花は殺風景な庭園に彩を添え、観賞用にとても人気があるようだ。ツワブキはキク科ツワブキ属に属する常緑多年草で、秋から…
熊坂長範は能の「熊坂」によって、児雷也は歌舞伎の「児雷也豪傑譚話」によって私たちに親しまれてきました。長範と児雷也の活躍する時代の違いが能と歌舞伎という異なる芸能ジャンルに反映されていることがわかります。 歌舞伎の原作は河竹黙阿弥で、『児雷…
紅葉し始めたニシキギに近づき、目を凝らすと、キバラヘリカメムシ(カメムシ目ヘリカメムシ科)が群がっていたのが昨年の10月中旬でした。そして、キバラヘリカメムシは4月から11月にかけて、あちこちに見られ、成虫で越冬し、ニシキギやマユミの仲間に群生…
自来也が初めて登場するのは、山東京伝や滝沢馬琴の弟子である感和亭鬼武(かんわていおにたけ)が文化3年(1806)に刊行した『自来也説話』です。読者を魅了したのが「三すくみ(さんすくみ、三竦み)」の構図です。三人が互いに得意な相手と苦手な相手を持…
「中世の熊坂長範」が信濃町出身であるのに対して、「近世の児雷也」が激闘を繰り返す舞台は妙高山、黒姫山、そして戸隠山です。能の「熊坂」、歌舞伎の「児雷也」と対比することもできます。そこで、信越の怪人児雷也について述べてみましょう。 信越(北信…
アマリリスはヒガンバナ科ヒッペアストルム属の植物の総称。原種は中南米・西インド諸島に約90種があり、さらに数百種類の園芸品種があります。アマリリスは初夏にユリに似た基本的に六弁の大きい花を2 - 4個つけます。花の色は白・赤・薄紅・淡黄など。18世…
ニシキギ科のマユミ(檀、真弓、檀弓)の別名はヤマニシキギ(山錦木)。マユミは山地に自生するニシキギ科の落葉樹。近くの植え込みのマユミがコムラサキと同じように薄赤い実をたくさんつけています(画像)。マユミは実と種子だけでなく、紅葉も楽しむ庭…
シラハギ (白萩) 、シロバナチョウセンヤマハギ (白花朝鮮山萩) 、シロバナビッチュウヤマハギ (白花備中山萩) 、シロバナハギ (白花萩) 、シロハギ (白萩)等々、たくさんの名前があり、何がどのハギか皆目見当がつきません。湾岸地域にはヤマハギがあちこち…
義経伝説ほど日本人の心を捉えて離さない伝説はありません。義経は文学、芸能のきっかけであり、目的でもありました。『源氏物語』が貴族文学の代表とすれば、武家文学の最初の代表が『平家物語』やその異本である『源平盛衰記』でしょう。義経文学は様々な…
ソライロアサガオ(空色朝顔、学名: Ipomoea tricolor)は、ヒルガオ科の一年草です。アメリカソライロアサガオとも呼ばれますが、園芸では「西洋朝顔(セイヨウアサガオ)」と呼ばれるようです。 その種、蔓、花、葉はエルゴリンアルカロイドを含み、何世紀…
昨日の東京は終日雨。でも、土曜の今朝は見事な日本晴れ。青い空と海の間に冬化粧の富士が見事に輝いている。雪富士を見ていると、なぜか私は妙高を思い出す。妙高も既に雪化粧しているが、いつも雪の富士と妙高が重なるのである。妙高山の麓で生まれた私の…
さわやかな青や紫を中心に、小さく可憐な、アザミに似た花を咲かせるアゲラタムは熱帯アメリカ原産の、非耐寒性の多年草です。日本では冬越しできないため1年草として扱われます。使い勝手のよさが特徴ですが、矮性種と高性種の二系統があり、寄せ植えや前景…