ケイトウの花

 ケイトウ(鶏頭、鶏冠)はヒユ科ケイトウ属の一年草です。ケイトウの歴史は古く、奈良時代に中国から渡来してきた植物で、万葉集にも登場するほど、日本になじみの深い植物です。  鶏のトサカ(鶏冠)のように、真っ赤な花を咲かせていることから「ケイトウ」と呼ばれるようになりました。夏から秋にかけ、赤・桃色・黄色などの花が咲きます。花期は5月から10月頃。原産地はアジアやアフリカの熱帯地方と推定されていて、暑さには強く、寒さには弱いという特徴があります。

 炎のような形の花を咲かせるトサカ系(迫力ある大型の「トサカケイトウ」)やクルメ系は切花以外では見かけることが少なくなり、現在は矮性の羽毛ケイトウやヤリゲイトウが主流になっています。画像は「きもの」と呼ばれるわい性羽毛ケイトウです。

*最後の画像は伊藤若冲「鶏頭蟷螂図(けいとうとうろうず)」(1789年)です。ケイトウの美しさから逃れられなくなったカマキリ(蟷螂)は欲望への執着の象徴で、ケイトウの花の色彩が強烈です。

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