紅葉と鬼と…

 湾岸地域でもモミジが色づき始めた。となれば、思い出すのは紅葉伝説。「鬼滅の刃」で脚光を浴びる鬼たちだが、その鬼が登場するのが戸隠、鬼無里別所温泉などに伝わる鬼女伝説。この伝説は室町時代から江戸時代にかけて、能や浄瑠璃、歌舞伎では「紅葉狩」として描かれてきた。平維茂戸隠山におもむき、そこで出会った紅葉見物の美しい女性たち一行に出遭う。その女性の正体が戸隠山の鬼女「紅葉」。明治中期出版の『戸隠山鬼女紅葉退治之伝』では、紅葉は伴氏の子孫で、第六天魔王の力を持つ鬼。彼女は都で源経基に寵愛され、一子を宿すが、戸隠の地へ流される。徒党を組んで盗賊を働いたため、冷泉天皇の勅諚によって派遣された平維茂に退治される。

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