ヒサカキ

 子供の時以来、神棚にあげるのはサカキだと聞いていたが、それがヒサカキかサカキかは確かめたことがなかった。今の妙高ではサカキ、ヒサカキのいずれが神棚にあるのか私にはわからない。ヒサカキは常緑で、葉はやや倒卵状楕円形で、丸い鋸歯がある。葉は厚みがあり、表面にはつやがある。
 「榊」が手に入らない関東地方以北でヒサカキは玉串として使われてきた。名前も榊でないから非榊であるとか、一回り小さいので姫榊がなまったとかの説がある。榊が育成しない地域では、ヒサカキを「本榊(ほんさかき)」の代用として利用してきた。サカキやヒサカキは神事や祭礼に用いられてきた。『古事記』や『万葉集』にサカキが現れていて、「賢木」があてられている。 サカキが神事や祭礼に用いられるようになったのは、『古事記』の「天の石屋戸の伝説」に、「天香具山の五百津真賢木(いほつまさかき:枝葉がよく繁っている賢木)の枝に玉と鏡と青い麻と白い木綿をかけて用いた」とあることから神が降臨する依代(よりしろ)としたと考えられている。ヒサカキ平安時代の『倭名類聚抄』に「和名比佐加木(ひさかき)」と表されている。

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