2025-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ワックスフラワーの花

ワックスフラワーはオーストラリアの西オーストラリア州原産のフトモモ科の灌木植物。花弁に光沢があり、蝋細工のように見えることが名前の由来です(画像)。細い葉が対生して、小さな花が散房状に咲きます。花色は紅色、紫色、ピンク、白色などがあり、2月…

ローズマリーの鮮やかな青紫色の花

既にローズマリーが青紫色の花をつけている。湾岸地域ではお馴染みのローズマリーは花が地味で、それ程目立たないのだが、画像は濃く鮮やかな青紫色の花が目をひくローズマリーである。モーツアルトブルー(Mozart Blue)ではないかと思われるが、兎に角、鮮…

未明の思想の各断片をつなげるには…

近年は小川未明に「転向者」というレッテルが張られる場合が多い。例えば、青空文庫で簡単に読めるものに次のような作品や評論がある。 童話「僕も戦争に行くんだ」(1937(昭和12)、青空文庫、国策協力のスタート) 「日本的童話の提唱」(1940(昭和15)…

アセビの花

アセビ(馬酔木、梫木)の花が咲き出した。ツツジ科のアセビは常緑低木で、別名は「あしび」、「あせぼ」。アセビの花色には白色とピンク色があり、スズランに似た小さな花の固まりを枝いっぱいに咲かせ、満開時は花穂が樹を覆うようになる。日本の山地に自…

ミツマタの開花

ジンチョウゲ科のミツマタ(三椏)は落葉性の低木で、中国中南部、ヒマラヤ地方が原産地。三つ叉(また)に分かれた枝の先に花を咲かせるのが特徴。ミツマタは新葉が芽吹く前の枝先に花が咲きに開花する。下向きに咲く花には芳香があるが、花弁はなく、花弁…

アネモネの花たち

2月に入り、すっかり花が少なくなりました。そんな中で咲いている花の一つがアネモネ。アネモネの花を見比べていると、花の多様な姿を見ることができます。リンネは植物の分類の基礎が花の雄蕊と雌蕊にあると考えましたが、花は顕花植物には不可欠で、それゆ…

2月のレンテンローズ

レンテンローズ(Lenten rose、学名Helleborus orientalis(ヘレボルス・オリエンタリス))はキンポウゲ科クリスマスローズ属の耐寒性常緑多年草です。日本で見られるヘレボルス(Helleborus)は、ニゲル種(niger)と、オリエンタリス種(orientalis)です…

「セロ弾きのゴーシュ」から

1996年宮沢賢治生誕100年で花巻に招かれたヨーヨー・マが賢治愛用のチェロで「セロ弾きのゴーシュ」の中のシューマンの「トロイメライ」を演奏しました。そのヨーヨー・マの講演を昨年聞き、それがきっかけでチェロを始めた孫は一生懸命に練習していると昨日…

オオキバナカタバミの花

南アメリカ原産のオオキバナカタバミ(大黄花片喰、大黄花酢漿草)は現在では世界各地に帰化植物として定着しています。日本では1890年代に観賞用に輸入されましたが、野外に逸出し、現在では関東から九州まで広く分布しています。私の住む湾岸地域でもあち…

春の兆し:サクラ

708(和銅2)年創建の荏原神社のカンヒザクラ(寒緋桜)、そして木場公園の大横川沿いのカワズザクラ(河津桜)は有名ですが、我が家の近くの東京臨海広域防災公園でも数本あるカワズザクラの花が開き始めました。でも、近くのオオシマザクラの花芽はまだし…

天心や蘭斎を通じた日本美術雑感

(久し振りに80歳を越える美術史の先輩と話して、既述のものをまとめてみた。) まずは蘭斎の略歴を見ておこう。 「越後の新井村(現在の妙高市)に生まれた森蘭斎(もりらんさい、1740-1801)は画才に恵まれ、24歳頃に長崎に遊学、医学を学ぶとともに、沈…

フヨウカタバミの花

カタバミは日本を代表する雑草の一つ。カタバミの他に、イモカタバミ、フヨウカタバミなどが脳裏に浮かびますが、肝心のカタバミも多種多様で、カタバミの地方名は「かがみぐさ」、「すいば」、「しょっぱぐさ」、「すずめぐさ」など、なんと200近くになりま…

赤と緑、そして雪の白

雪の中のアオキやナンテンの赤くなった実は子供の頃の記憶として今でも鮮明に憶えています。青い実が次第に色づき、冬にはすっかり赤くなり、そこに雪が降ると、赤と白、さらに葉の緑が重なり、見事な配色が生まれるのです。初雪の便りを聞くと、子供の頃に…

2月のヤハズエンドウの花

マメ科のヤハズエンドウの花が早くも咲き出しました。まだ花は小さく、控えめです。繁殖力が強く、あちこちに自生しているのがヤハズエンドウで、画像のように茎に巻きひげをもつのが特徴です。別名の「カラスノエンドウ(烏野豌豆)」は中国名の「野豌豆」…

シクラメンの花

サクラソウ科のシクラメンは地中海地方が原産で、多年草の球根植物。カガリビバナ(篝火花、牧野富太郎が命名)とか、ブタノマンジュウ(豚の饅頭、大久保三郎が命名)と呼ばれましたが、今の印象とは随分異なります。シクラメンは明治時代に伝わり、戦後急…

「セロ弾きのゴーシュ」から

ヨーヨー・マの講演を聞き、それがきっかけでチェロを始めた孫は一生懸命に練習しています。宮沢賢治もチェロが好きだったようで、彼が愛用したチェロが今でも残っています。1996年は宮沢賢治生誕100年で、花巻に招かれたヨーヨー・マがそのチェロで「セロ弾…

冬のスイセンの花

「スイセン」のイントネーション(関東と関西で違うようである)、「日本水仙」の読み方(「ニホンズイセン」、それとも「ニホンスイセン」か)はいずれも即答できない問いで困惑する。 スイセン(水仙)」の学名でもある英名「ナルシサス(Narcissus)」は…

2月のヒドリガモ

カモ科のヒドリガモ (緋鳥鴨、Mareca penelope)は日本で最も普通に見られるカモ類。湖沼、河川、湾に渡来し、他の淡水型カモよりも海上に出る傾向があります。オスの成鳥は額から頭頂がクリーム色で、顔から頸が茶褐色、胸は薄い茶色。メスは全体に褐色。…

子供の「赤い蝋燭と人魚」と大人の「佐渡情話」

人魚の切ない愛を描いた未明の名作童話の挿絵のために病にむしばまれながらいわさきちひろは越後の海をスケッチし、1975年6月に童心社から出版された『赤い蝋燭と人魚』の挿絵はちひろの絶筆となりました。この本が出版される前年の1974年8月にいわさきちひ…

鷗外「山椒大夫」と未明「赤い蝋燭と人魚」

森鴎外と小川未明の越後に関わる二つの作品がどのように違っているかを明らかにしてみたいのですが、いずれの作品も著作権が切れているので、「青空文庫」で簡単に詠むことができます。多くの方は既に詠んだことがあると思いますが、拙文を読む前に再度作品…

春よ、早く来い

童謡の「春よ来い」は作詩が相馬御風、作曲が弘田龍太郎。1923年に雑誌『金の鳥』に発表されました。歌詞の「みいちゃん」は御風の長女文子さん。 春よ来い 早く来い あるきはじめた みいちゃんが 赤い鼻緒の じょじょはいて おんもへ出たいと 待っている 春…

昨日のプリムラの花に加えて

昨日プリムラについて記しましたが、美しい花をさらに見たので追加しておきます。プリムラはパンジーやビオラと同じように、花が少なくなる冬の花壇を彩ってくれる貴重な植物。花の色や形の種類が豊富なことを今日の画像で確認できます。 これらの画像は花壇…

鷗外「山椒大夫」と未明「赤い蝋燭と人魚」

((1)「山椒大夫」に続く) (2)「赤い蝋燭と人魚」 小川未明は「日本のアンデルセン」と賞讃されますが、彼の「赤い蝋燭と人魚」(初出1921(大正10)年、未明39歳)は暗く寂しく孤独な呪文のような文章で、現在の散文的な事実からなる世界を描く童話と…

鷗外「山椒大夫」と未明「赤い蝋燭と人魚」

森鴎外と小川未明の越後に関わる二つの作品がどのように違っているかを明らかにしてみましょう。 (1)「山椒大夫」 森鷗外の小説「山椒大夫」は説経、説話の「さんせう太夫」を下敷きにしています。今では「安寿と厨子王」と聞けば、ほぼ誰もが鷗外の作品を…

レースラベンダー再訪

シソ科のレースラベンダー(Lavandula multifida)はラベンダーの一種で、別名はファーンリーフラベンダー、ムルチフィダラベンダー。地中海西部沿岸のイタリアやスペインに分布しています。海岸の砂礫地に生え、葉は灰緑色で、「シダ」のような羽状の深い切…

ウエストリンギアの花

「ローズマリー擬き」と言いたくなるほどよく似ているのがウエストリンギア。ウエストリンギアはオーストラリア原産のシソ科ウエストリンギア属の半耐寒性常緑低木。当初日本では「オーストラリアン ローズマリー」という名前で流通が始まったようだが、近年…

冬のプリムラの花たち

プリムラはパンジーやビオラと同じように、花が少なくなる冬の花壇を彩ってくれる貴重な植物。花の色や形の種類が豊富で、バラのような花まで品種が豊富です。 プリムラはヨーロッパやアジアに自生するサクラソウ属(Primula)の原種やその変種を交配して作…

冬のオニヤブソテツ

オニヤブソテツはオシダ科の常緑シダ植物です。日当たりの良い場所から木陰などの暗い場所までの様々な環境で生育し、深い緑色で光沢のある堅い葉を茂らせます。そのため湾岸地域でもあちこちで見ることができ、冬枯れの中で綺麗な深緑色が目立ちます。 オニ…

学校教育目標

前回の投稿で新井小学校や妙高高原小学校の教育目標について言及したのですが、「学校目標」という語彙を調べると、「学校教育目標」が正しい名称のようで、「教育目標」も「学校目標」もその省略形のようなのです。むろん、学校毎の違いを強調する場合は「…

スイセンの花

「水仙」の音読みが「スイセン」、中国古典『天隐子神解章』の仙人についての記述で、「在天曰天仙 在地曰地仙 在水曰水仙」(天にいる仙人を天仙、地にいる仙人を地仙、水にいる仙人を水仙)と書かれ、スイセンが水の豊かなところを好み、清らかで香しく生…