2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

セイヨウニンジンボクの花

セイヨウニンジンボクはシソ科に属し、ハーブとして用いられるだけでなく、見た目が似ていることからコショウの代わりとしても使用されていた。唇の形をした淡い紫色の小さな花を夏から秋にかけて穂状に咲かせる(画像)。日本には明治時代に渡来。葉がチョ…

カシワバアジサイの花の色

アジサイの花も終わりだが、カシワバアジサイの真っ白だった花が色を変えて、まだ残っている。カシワバアジサイは北アメリカ東南部が原産地で、葉がアメリカガシワに似ていることからカシワバアジサイと呼ばれるが、日本のカシワの葉とは異なる。 カシワバア…

カワラナデシコの花

早咲きのカワラナデシコ(河原撫子)の花が咲き出している。名前通りに河原に生えるとは限らない。野、山、高原どこででも見かける。カワラナデシコはナデシコ科ナデシコ属の多年草。 画像のように花弁の先が裂けて細かくなり、風にあおられ、揺れる姿が印象…

日曜の断想

「上越は城下町で、妙高は在郷町」と紋切型に分類されても、何か納得がいかない。謙信が治めていた時の上越は本当に城下町だったのか、現在の上越は城下町かと尋ねられると、なんとも心許なく、いずれをも否定する人が多いだろう。町は城下町、在郷町、門前…

ユリの花たち

あちこちでユリの花が目立つようになってきた。スカシユリのバルドイーグルにはショウリョウバッタが乗り、ヘメロカリスの黄色が眩しい。どのユリの花も私たちを惹きつけてやまない。 ユリの原種は北半球に約100種類が分布し、そのうち15種が日本に自生。ヤ…

ナンキンハゼの花

ナンキンハゼは中国原産の落葉広葉樹で、公園などに植栽され、湾岸地域でも馴染みの樹。10月終りころに果実をつけ、果皮が弾け、白い種子が残ります。ナンキンハゼの有毒の葉は寒くなくても見事に紅葉します。また、栄養分のある種子は野鳥の食糧になります…

ヤブランとその花

ヤブラン(藪蘭)はキジカクシ科ヤブラン属の多年草。東アジアに分布し、日本では全土、主に関東以西に広く分布し、山野の林内で下草として自生。ヤブランは夏から秋にジャノヒゲの花に似た薄紫色の涼しげな花を咲かせる。今年は既に花が咲いている。さらに…

青春の実たち

植物の春は動物の青春期を彷彿させ、二つの春は呼応して互いを讃え合うかのように捉えられてきました。春がない地域では青春を何に喩えるのか、私にはよくわからないのですが、地球が規則的に運動している限り、暦通りに花が咲き、青春が過ぎていきます。花…

ペチュニアの花

新しくできた公園の斜面にペチュニアのピンク色の花が咲いています(画像)。ペチュニアは南アメリカ原産の1年草や多年草です。花色が豊かで、春から秋までの長い間花を咲かせることからガーデニングでは人気者です。南アメリカに自生するペチュニア・アキシ…

言わずもがなの願望

東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は晴海のトリトンスクエアにあり、そこには私の好きな庭が広がっています。このところ、マスコミだけでなく国民からも批判され、四面楚歌の組織委員会ですが、このままでは国民にいじめられる格好の標的…

アベリアの花

公園を歩きながら見渡すと、アベリアの花が咲き誇っている。最近はあまり見なくなったアベリアだが、かつてはあちこちに植えられ、うるさい程だった。スイカズラ科ツクバネウツギ属のアベリアは中国原産のシナツクバネウツギの交配種で、常緑低木樹。アベリ…

げに恐ろしきは…コロナウイルスの知恵と私たちの思惑

ロックダウン(lockdown)は、危険、脅威、リスクなどを理由に、建物や地域へ入ったり、出たり、その中を移動したりすることが禁止されることで、都市全体を封鎖する都市封鎖はその典型例。多くのスポーツ大会で導入されるバブル方式は、開催地を大きな泡で…

オミナエシの花

オミナエシ(女郎花)は秋の七草の一つで、日当たりのよい草原に見られる植物。そのオミナエシが今年は既に咲いている。数本の茎をまっすぐに伸ばして株立ちになり、先端に多数の黄色い花が見える。花房は全体で15~20cmほどの大きさがある。6月から9月にか…

アレチハナガサとヤナギハナガサの花

湾岸地域の空き地や路傍でいつもお目にかかる雑草がアレチハナガサ。その花が咲き出している。昨年はその種類について随分調べたが、今一度復習しておきたい。 まず、茎が中実だとアレチハナガサ、中空だとヤナギハナガサ。ヤナギハナガサは、そのアレチハナ…

複数の媒体:映画と小説

パトリシア・ハイスミスの小説The Talented Mr. Ripley(才人リプリー君)(日本語版の題名は『太陽がいっぱい』青田勝訳、角川書店、1971年。『リプリー』佐宗鈴夫訳、河出書房新社)を原作とした1960年のフランス・イタリアの映画「太陽がいっぱい(Plein …

アフリカホウセンカの花

アフリカホウセンカはツリフネソウ科の植物で、花を観賞する園芸植物。インパチェンスと呼ばれ、画像はインパチェンス・シルエット・アップルブロッサムと長い名前がついている。 本来インパチェンス(Impatiens)はツリフネソウ属のラテン名だが、日本でイ…

イジュの花

イジュ(伊集)はツバキ科の植物で常緑高木。樹高20mにもなる木で、梅雨時期に梅に似た白い花が咲く。花はほんのりあまい香りがある。新芽は赤く、葉は長楕円形で、先が尖っている(画像)。梅雨に咲く美しい白い花が「イジュの花」。その花は沖縄の歌「琉歌…

カラーリーフのテイカカズラ

テイカカズラ(定家葛)はキョウチクトウ科テイカカズラ属の有毒植物。6月頃に開花と言われるが、湾岸地域では既にあちこちで花が終わりに近づいている。花ははじめ白く、次第に淡黄色になり、ジャスミンに似た香りがある。花は7月頃いったん途絶えるが、そ…

ハンゲショウの花

今年は既にハンゲショウが咲いています。花が咲くと、上部の葉の下半の表面がペンキを塗ったように白くなります。そのため、ハンゲショウは遠くから見ると白い花が咲いているように見えます。でも、実際の花は穂状で、あまり目立ちません(画像)。花は長さ1…

ペット、家畜、そして食料

8年ほど前に引っ越して、ペットが自由に飼えるマンションに移った。いろんな犬たちがエレベーターに乗り込んでくる。その8割以上が小型犬で、それも不自然な姿格好の犬たちである。人間より速く歩ける犬は少なく、たいてい歩くことが不得意である。人間の介…

チロリアンランプの花

アオイ科アブチロン属の植物は熱帯から亜熱帯にかけて100種以上分布しますが、そのうちブラジル南部原産で半つる性の「アブチロン・メガポタミクム(A. megapotamicum)」に、「ウキツリボク(浮釣木)」という和名が付けられています。でも、一般には「チロ…

花を哲学する(3)

今流行りの「カラーリーフ」という呼び方を使うなら、花も葉もすべて含まれ、問題は何もなくなってしまいそうですが、このリーフを強調するような二つの例を挙げることができます。 葉の色が緑色でなかったり、斑入りだったりする植物は意外に多く、観葉植物…

コムラサキの花

「コムラサキ」という名前の蝶がいるが、植物のコムラサキはシソ科ムラサキシキブ属の落葉低木で、北海道及び青森を除く日本各地の山野に分布し、中国や朝鮮半島にも分布する。同属のムラサキシキブとともに紫式部にちなんで名付けられた。ムラサキシキブは…

花を哲学する(2)

「花とは何か」という問いにくそ真面目に答えようとすれば、おそらく次のようになるのでしょう。正真正銘の花とは、その内側から、「めしべ(雌蕊・しずい)」、「おしべ(雄蕊・ゆうずい)」、「花びら(花弁)」、そして「がく(萼)」の四つがそろったも…

ヒメリンゴの青い実

子供の頃、向かいの家の庭にヒメリンゴの木があって、その木に上って小さく青いリンゴをかじり、とても渋く苦かった記憶が今でも残っている。それ以降、ヒメリンゴは苦手だったのだが、近くの学校のグラウンド横に何本も植えられていて、綺麗な花と渋く苦い…

花を哲学する(1)

大袈裟なタイトルに尻込みする必要はありません。花について真面目に考えようとすれば、まずは花の定義をしなくてはいけないと多くの人がほぼ定石通りに考えます。そして、花の定義は「花とは何か」に答えることだと教えられているので、その解答を探すこと…

ザクロの花

ザクロ(石榴)の花が今年も咲いた。子供の頃、近所にザクロの木があって、不規則に裂けた実と種の多さ、そして酸っぱく、プチプチとした食感が強く記憶に残り、カキやリンゴとは違い、異国のものという直感的な印象を持っていた。確かにザクロは西南アジア…

ブーゲンビリアの花

熱心な読者は既に何回か私のブーゲンビリアの記述を読んでいるに違いない。今回取り上げる理由は、花に関する少々哲学的な議論をするための材料として利用したいからである。 ブーゲンビリアはオシロイバナ科ブーゲンビリア属の熱帯性の低木。初夏と秋に、ピ…

ナツグミの実

グミ(胡頽子)はグミ科グミ属の植物の総称。子供の頃の私にはグミは大和言葉でしかなく、菓子のグミを知らなかった(*)。グミは常緑または落葉の低木。グミの実は楕円形で赤く熟し、渋みと酸味、かすかな甘味があって食べられる。その形はサクランボに似…

雌雄異株のアカメガシワの雄花と雌花

雌雄同株の雄花と雌花に比べ、異株の雄花と雌花は大抵大きく違っている。同じ先駆種のクサギやナンキンハゼは雌雄同株だが、アカメガシワは雌雄異株である。雄と雌が分かれているのが異株、雄と雌が同体なのが同株。動物を基準に考えるなら雄と雌はそれぞれ…